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『ナショナルエコノミー』(ゲーム)のススメ
2021-12-03 11:12
先日、弊社主催で「ナショナルエコノミー」というカードゲームのゲーム会を開催しました。 「ナショナルエコノミー」は事業を経営するワーカープレイスメントゲームです。 プレイヤーは労働者を職場に配置して製品を作り、販売し、新たな職場を建設します。 このゲームのユニークな点はお金が循環する事です。 プレイヤーの払った給料が労働者の家計に入り、彼らが商店で買い物をする事で再びプレイヤーの手に戻って来ます。http://uty_board-game_db.a-wiki.net/5o3phtnといったゲームで、プレイヤーは疑似経営者として、経営を行いながら労働者の協力や経済全体のバランスを考慮しながら遊ぶゲームです。 小屋は、何度か経営者仲間と遊んだことがあるのですが、実際にプレイするとその経営者の経営スタイルが如実に表れるのが面白いところです。 プレイしながら豪快で一か八かのプレイヤーなのか、バラ -
良いブラック経営
2021-09-14 14:07
緊急事態宣言が出た昨年春から既に1年半。あちらこちらでリモート業務が立ち上がっていますが、中には「○○さんはリモートです」というと、「あいつは、また休んでるのか?!」と応える社長や管理職が結構居らっしゃると聞きます。組織の大小にかかわらず。 当然、社員は委縮してリモートもせず、休みも取らず、如何にも働いているパフォーマンスを演じるようになります。 一概にリモートが良いとは言いませんが、コロナ禍によって働き方や働く人の考え方も大きく変化しています。これからは幾らかでもリモートが出来ないなどと言う会社には優秀な人材が集まらないと言ったことも出てくるのでしょう。 仕事が増える成長企業は(無理をするため)どこかに必ずブラックな側面が出てしまうと考えていますが、過去の経験からも、単なるパワハラ的なブラックでは無く、経営においてもブラックな思想が入り込まない社風を持つ組織は、時間外労働が多くてもブ -
ワタミ(7522)に返り咲く元オーナーは錆びたナイフをどう研ぐのか?
2019-05-29 15:21日曜の六本木の夜はさぞかし賑やかだったろうと皆さんもメディアで伝えられた日米両首脳の高級炉端焼き店での和やかな食事会に思いを馳せられたのではないでしょうか。 一方、メディアではあの小さな居酒屋チェーンに過ぎなかった居酒屋和民を運営するワタミフードサービスにその後の急成長をもたらした偉大な経営者、渡辺美樹氏のことが取り上げられていた。 居酒屋チェーンで財をなした渡辺氏が国会議員に転身して恵まれない新興国の学校設立などに尽力された話は知る人ぞ知る話。私の知人のバングラデシュ人もそうした渡辺氏を良く知る人物。バングラデシュに学校を建てたいとの思いを渡辺氏に伝えようとしたという話も聞いた。 高級炉端焼きならぬ庶民の味方、居酒屋和民の急成長の立役者だった渡辺氏だが政治の世界ではほとんど活躍した話を聞いたことがない。赤字に転落した会社を放置したまま政治の世界に身を置いた同氏が目立った活躍をすることも -
孫子と三賢人のビジネス その5
2019-01-31 17:16産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/ 2月号連載記事 ■その5 敵を知り己を知る ●終身雇用の重要性 ドラッカーもバフェットも、「終身雇用」を重視し、それを維持することが競争力の源泉であると考えています。特に、バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイでは「定年」というものがありません。一応、104歳まで車椅子に乗って現場で指揮を執ったバークシャー傘下のネブラスカ・ファニチャーマート創業者の「ミセスB」に敬意を表して104歳が定年ということになっています。しかし、それを超える人物が出現すれば、定年はいくらでも引き伸ばします。また、ごくわずかの特殊な例を除いて、他社から引き抜いたり、逆に他社から引き抜かれたりしたことが無いのもバフェット(バークシャー)の自慢です。 ドラッカーも「高い費用と長い期間、それに多大な労力をかけて教育した人材を簡単 -
四半期決算発表
2018-08-13 17:52
8月の決算発表が一巡すると「もう夏も終わりに向っているんだなぁ~」と感じる季節です。早いものです(^^;) 四半期決算も一巡感が出てきましたが、同業種でも明暗が分かれるなど今回の開示内容の評価は難しいです。いよいよ経営者の力量が試され、経営能力次第で業績が大きく動き、株価で評価され易い市場になるのか否か。 国内株式市場は相変わらず、好材料で上げた銘柄に空売りが増えたり、または決算実績がどうであろうと短期的に乱高下するだけ(大手資本が株価を操作するだけ)の市場です。 将来の事業価値を見据えてとか、割安に放置されているから・・・と言った本来の投資運用の場になっていません。 それにしても依然として株主還元が少ないと感じます。 特に歴史ある会社の配当政策などに顕著に見られます。成長企業でも無く、事業内容にも収益にそれ程の変化も見られないのに、僅か数%の業績向上を自慢げに謳いつつ、そ -
少人数組織を運営するための哲学 その2
2016-09-10 00:37わたしが属するヘッジファンドの業界は生き馬の目を抜く業界だ。 毎日、成績で評価される。そのストレスから、心身ともに疲弊する日々だ。 事実、毎年のように、ヘッジファンドは消滅する。 以前の会社では、最後まで残った運用チームは3つだけだった。 10以上の運用チームが7年間の間に解雇となった。 そう、ヘッジファンドは、成績が悪いと解約されてしまうのだ。 だから、わたしたちのチーム6人が、10年以上、ヘッジファンドマネジャーを続けられたことは奇跡に近い。 この業界に関わらず、 世間一般に、チーム運営は簡単ではない。 なぜなら、人間関係が難しいからだ。 人間関係は、些細なことですぐに壊れてしまう。 わたしもチームの運営は試行錯誤の連続であったし、 とくに、メンバー間の関係に苦慮してきた。 この10年の組織運営において、「組織は、こうしたら上手くいくぞ!!!」 という経験則を得た。 その経験から、基 -
ファミリービジネス(同族経営)の研究
2015-11-27 01:1611月初旬に、早稲田大学の国際ファミリービジネス総合研究所でイベントが開催されていたので参加してきました。 早稲田大学の国際ファミリービジネス総合研究所は、スイスのIMDというファミリービジネスを専門に研究している教育機関と提携をして日本でも珍しくファミリービジネス(同族経営)の研究を専門に行っている機関です。 冒頭に、研究所所長である長谷川教授のお話を伺いましたが、興味深かったのは長谷川教授が元々ベンチャーキャピタル出身の教授であったことと、ベン チャーキャピタルが出資できる企業には限界があり、ファミリービジネス(同族企業)が行う投資の方が、投資回収の時間軸が長く、良質ではあるが時間がかか りそうなビジネスへの出資が上手く行きそうなので、ファミリービジネスの研究を始められたという話でした。 私も全く同じ印象を持っており、最近も知り合いのベンチャービジネスに、ファミリービジネスオーナ -
突然の社長交代劇
2015-04-09 15:29隆々として企業経営を続けてきたオーナー社長が突然に社長を辞任して交代する不可解な出来事が生じ、株価に影響をもたらしている事例があります。 オーナー社長ではない場合でも業績を期待ほどあげることができずに、社長交代となる例も見られます。 投資家はそうした社長交代劇を一様にネガティブに見てしまうようです。 社長は会社の顔でもあり、その顔が変わることは株価に何らかの変化をもたらすことになります。大事なのはバトンタッチされた新社長がしっかりと株主や投 資家にメッセージを発すること。それがないと既存株主はどう評価して良いかわからないまま不安感をもち、株式の売却に動くことになります。 新規に株主になろうとしていた投資家はそうしたことに敏感に反応し買い手控えをしてしまいます。 突然の社長交代による上場企業の対応は様々ですが、本来はできるだけすみやかに市場関係者に新たな顔を見せて納得してもらう必要 -
人事を見る
2015-02-28 00:26新聞広告で見つけましたが、浅○隆氏の「円崩壊」と言う本が出版されたようです。読んではいませんが何となく察しがつくような気がします(^^)。 4年の時を経て円ドル予想が50円から200円に修正されました!某大教授浜○子氏とともに50円の円高予想で双璧のコンビでしたが、その一角が崩れました。物書きの先生も大変なのでしょう。 まあ、政府発表の年金や財政計画などはそれこそ無責任そのもので、しかも時間とともに何事も無かったかのようにあっさりと手のひら返しをします。 最重要な国の仕事であるはずなのに、ゴキブリやシロアリ達の恐ろしいほどの無責任体質に驚きますし、これを淡々と解説するだけのマスメディアの倫理観の低さにも落胆します。責任の重さから言えば一民間人の為替予想の変化など取るに足らないものですね。 ところで、先日の日経新聞コラム(大機小機の追分氏担当)で「社会保障支出の伸びを抑えるためには医 -
賢人バフェットに学ぶ投資と経営の成功法則 第6回
2014-09-04 21:11=成果を出したものには十分報いる(成果を出す前に報酬を与えてはならない)= 産業新潮9月号連載記事の冒頭部分です。http://homepage2.nifty.com/sancho/ ■実力主義 バフェットは、「成果を出す前に従業員(役員)に報酬を与えてはいけない」と言います。それだけに、役員や従業員のビジネス上の成果とは何ら無関係に 「棚から牡丹餅」的に、彼らに報酬が転がり込んでくるストック・オプションは、「株主への背信行為」であり、「株主の懐の財布に手を突っ込む行為=泥棒」 とまで述べて、厳しく非難しています。実際、ストック・オプションの費用はすべて株主の本来得るべき利益=財布の中から支払われるわけですし、大部分の投 資家(株主)はその事実に気が付いていませんから、彼が「泥棒」とまで言って憤慨するのはよくわかります。 巷では、ストック・オプションの導入によって、役職員の能力ややる気
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