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記事 28件
  • オンライン教育企業の話

    2023-12-05 11:17  

     コロナ禍の下でのGIGAスクール構想の始動でクローズアップされたオンライン教育が社会実装されて3年以上が経過してきた。 本コラムで以前も取り上げたことがあるが、そのオンライン教育の担い手企業であるすららネット(3998)の株価低迷がかれこれ3年にもなってきた。 すららネットは現社長の湯野川氏が2008年に東証1部企業在籍中に設立された。eラーニングすららをビジネスで立ち上げ、2010年にはその事業をMBOで買取り本格的な展開を開始。2017年12月には上場を果たしている。 売上規模は今期23.2億円にしか過ぎないものの、営業利益は3.9億円と高収益。9月末の学校導入数は1358で、このうち1025校が公立学校。1182の学習塾も導入。海外でも68校が導入。個人導入と合わせ9月末のID数、つまり課金対象となる活用生徒数は42万8441となっています。 基本的には5教科ですが、先般から探求
  • 企業評価のための資産あれこれ

    2023-12-05 11:15  

     株価は企業が評価された後の結果として市場で形成される一株当たりの価格である。 企業が保有している資産には様々なものがある。 バランスシートにはその資産項目と負債項目が並んでいる。資産は流動性の高いものから低いものが並んでおり、企業活動によって毎期変動している。 通常はよほどのことがない限り利益として毎期蓄積されていくため、資産は増加し負債も投資金額の増加とともに増加していくことになる。 資産項目のうち現預金はすぐにどんな資産にも充当できる企業活動には必要不可欠な資産で、この現預金が多ければ多いほど余裕のある事業運営が可能となる。 さしあたり使うことのない現預金は短期有価証券として確定利付き証券として保有されたりもするが、これは現預金と同等の流動性の高い資産と言える。 その後に来るのは在庫、仕掛品の類であるが、これは近い将来の売り上げに変わるもので健全な企業であれば資産評価の対象としては
  • 祝!!オクチカ創刊24周年!!

    2023-11-20 11:53  

     先ほど本誌編集長から億の近道(略称オクチカ)が創刊されて今日で24周年だとの連絡を頂きました。創刊に携わった者として創刊以来、長きにわたって本誌に関わって頂いた皆様に心より御礼申し上げます。 創刊からおよそ四半世紀を経ようとする中で皆様の株式市場や経済、個別企業の業容も大きく変化をしたのかも知れませんが、本誌の発行理念や執筆者各位の思いを通じて皆様の投資に多少でも役立っていますことを心より願っております。 25年目に入るオクチカをこれからもご愛読賜りましたら幸いです。     オクチカ創刊メンバーを代表して 炎のファンドマネージャーより(炎)
  • 熊出没と前田工繊(7821)

    2023-11-20 11:52  

     今年は冬を前に熊があちこちで出没したと話題でした。 熊はキャラとしてはかわいい印象の動物ですが、実際には獰猛な動物でもあり、人が格闘すると血まみれとなって時に命の危険すらありますので見つかれば射殺される運命となります。 今年の熊の出没は冬眠前の山に餌が不足していることによるものかと思いますが、日本で唯一、熊の姿を見ていない県があるそうです。それは千葉県です。 なぜ熊が生息していないかは昔からの地形によって説明されているようですが、そのうち千葉でも熊に出くわすことになるのかはともかく、各地で起きた今年の熊騒動。防災減災、獣害被害対応関連企業である福井に本社を置く前田工繊(7821)を思い出してしまいます。 同社は国土強靭化、地方創生、海外(EV用ホイール)の3本柱で中長期成長を図っており、2000年からはM&Aで成長を目指して事業規模拡大を図り、株価はリーマンショック時の2008年11月
  • 特許情報プラットフォーム

    2023-11-20 11:48  

     特許を調べるのに8年前までは特許電子図書館(IPDL)が使われていましたが、それに代わって登場したのが特許情報プラットフォーム、J-PlatPat(ジェイプラットパット)です。 これは従来のIPDLより検索サービス機能が充実しているなどの特徴がありますが、世界各国の出願・審査関連情報を調べる機能をシステムに付加。 外部からの攻撃があったりしてその後セキュリティ対策を講じて今日に至っています。 日本のハイテク企業にとって特許制度は極めて重要な位置付けにあります。 知的財産の代表と言える特許がビジネスを推進する原動力となっていることは自明のことで、特許は企業の今後を占う重要な要素となっています。 ただ相変わらず市場は特許などの知的財産への評価を曖昧にしたまま、見えている資産(現預金、有価証券、土地、建物、設備など)の評価に対してすらまともに評価しないで株価形成がなされていますが、かつては知
  • 祝!!38年ぶりの阪神タイガース日本一!!

    2023-11-09 13:55  

     9月14日にリーグ優勝してからおよそ2か月近く経過した昨日、38年ぶりに阪神タイガースが日本一となったことで大盛り上がり。相手となるオリックスも関西のチーム。関西のチーム同士で最後まで熱い戦いが7日間も続き、両チームのファンの熱い声援も途切れることなく続いた。 筆者はどちらかと言うと姉が尼崎に住んでいる関係から阪神を応援していたので心より阪神タイガースおめでとうと言いたい。 38年ぶりと言うと阪神が前回優勝したのは1985年となるのか、その頃の株式市場はバブル経済のピークに向かっていた最中。日本株にとってはその時期からの4年ほどの間に大きく上昇のトレンドを描いたことになる。 果たして今回はどうか。 阪神が優勝し東京ではなく大阪や関西の経済が盛り上がることになるのかはともかく、これから万博も開かれる大阪に熱い視線が注がれることになる。 阪神の日本一は関西企業に勢いをもたらすか? 本日たま
  • 低迷してきた株にも曙光

    2023-11-09 13:43  

     過去2,3年前の高値やIPO後の高値から半値以下に低迷する株がごろごろと存在する昨今の株式市場。そんな銘柄を持たれている皆さんは毎日、私が持っている株はどうなるのかだろう?と思われているのかも知れません。 現在の株式市場における物色のコアが外国人や機関投資家といった大きな資金を運用する主体によるものなので、これはある意味致し方ないのです。 株価の変動は基本的には業績の変化によってもたらされますので、業績が向上する銘柄に的を絞れば運用成果は高まることになるはずですが、それとともに需給要因が影響してくる点にも留意しておく必要があります。 日本ではこれまで長期間にわたり、低金利、マイナス金利の状況が続いてきましたので、そうした状態に慣れてしまいました。国民の多くはデフレ経済の下で生活を営んで参りました。そうした社会の枠組みの中でビジネスを成功させて成長を遂げてきた様々な企業が大きな事業規模の
  • 秋のイベントから

    2023-11-06 22:16  

     この秋、コロナ禍で止まっていた様々なイベントが再開されて皆様も足を運ばれているのかも知れません。私も先週は幕張メッセなどのイベント会場に足を運ぶことができました。 幕張メッセではメタバース総合展に足を運びました。 このイベントはコロナ禍で開催が止まっていた訳ではありませんが、以前から交流のあるメタバース関連企業ベンチャーであるメタバースジャパンが出展しているということもあり、訪ねた次第です。 会場では同時開催のブロックチェーンEXPO、量子コンピューティングEXPO、AI人工知能EXPOなどの展示もありましたが、特に時間も限られており、上場企業の展示を特に関心を持って見て参りました。 一番関心が高かったと思われたのはマクニカで、その展示スペースの前ではプレゼンの最中に大勢の皆さんの人垣がありました。 今回同社は量子コンピュータ、AI関係で2つの展示ブースを開設。一つは製造業での検査工程
  • 耐える局面

    2023-10-30 22:34  

     短期投資家の手仕舞売りや換金売りに株式市場の中でもグロース市場には冷たい秋風が吹いているようです。 日経平均やTOPIXも引き続き調整色を強めていますが、実際に強烈な調整に見舞われているのはグロース銘柄です。主力銘柄の多くはまだ高値圏にありますが中小型株の多くは値が消えており安値追いを余儀なくされています。 今年は東証の低PBR是正要請が株式市場に適度な刺激を与え、市場の潮流を醸成したと言えますが、そんな是正要請が効果をもたらすのであれば、今の中小型企業の経営者に株価を何とかしろとでも言えばまともな株価形成になるのではないかと思えるぐらいです。 特に直近のIPO銘柄は軒並み公開価格を割り込み、市場参加者も諦めムード。それでもまた復活するだろうと期待する向きもありそうですが、皆様のお考えはいかがでしょうか? 3つ指標のうち、今年はPBRが1倍割れとなっている多くの銘柄に関心が向かいました
  • モノづくり企業の新たな挑戦

    2023-10-30 22:33  

     本誌でも時々取り上げて参りました福岡に本社を置く金属加工を中心にしたモノづくり企業として創業以来積極的な事業展開を行ってきた日創プロニティ(3440)が先週、アナリスト協会主催の決算説明会に登場。 8月本決算についての説明を石田社長とIR担当役員の諸岡取締役で行いました。 石田社長は創業者からバトンタッチした2代目。諸岡取締役は銀行出身で社長の片腕的存在です。 これでアナリスト協会での説明会は2回目ですが、前回よりも今回の方が参加者が多かったとの印象です。 同社は加工の総合商社を標ぼうしており、自社の大きな工場を福岡と福島に置き、金属加工をメインに行っているほか、数年前にM&Aで最初にグループ入りした群馬県所在の吾妻ゴムではゴム加工も行っています。 かつてはソーラーの架台特需で3期間で50億円もの利益を計上。この蓄積資金をM&Aや設備投資に充当しながら業容を拡大してきました。 現在グル