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長期投資の入門 第3回 企業の業績は長期的に維持されるのか
2022-08-17 16:01
【企業の業績は長期的に維持されるのか】 仮に企業規模が拡大せずにずっと売上や業績が横ばいだと仮定しましょう。 それでも毎年の配当の再投資により投資家の持ち分は複利で増えていきます。 このことを複利効果と呼びます。 たとえば2%の配当利回りならば2倍になるのに50年はかかりません。 もう少し早くて35年で2倍になることを計算で確認しました。 (1.02^35=2.00) 1.02の35乗が2 投資家が2%の配当利回りであっても資産を単利の50年でなく、再投資の複利35年で2倍にできると同様に、企業は利益が横ばいであっても再投資によって企業規模を複利で増やしていくことができるのでしょうか。 残念ながら、それは「できない」のです。 100の売上で10の利益を出す企業(利益率10%)があるとしましょう。 市場が飽和していてこれから将来を考えても100を売るのが精一杯であるときどうするべきでしょう -
長期投資の入門 第2回 上場企業の永続性について
2022-08-09 15:01
【億の近道の読者のみなさまへ】 みなさま、こんにちは。 セゾン投信の共創日本ファンドのポートフォリオマネジャーの山本 潤です。 8月に入り猛暑が続いております。どうかお体をご自愛ください。 長期投資の入門ということで、2回目となります。 7月30日の共創日本会議はハイブリッド開催でした。オンラインでは200名を超える方々が申し込みがあり大盛況でした。 この場を借りて御礼申し上げます。 前半部分で音声が小さくてみなさまにはご迷惑をおかけしました。 次回はこのようなことがないようにいたします。【上場企業の永続性について】 株式会社にはあらかじめ決められた寿命はありません。 適切に経営がなされているならば企業は永遠に存続することが可能です。 日本では株式会社は明治時代に導入されました。ですから日本の株式会社の歴史は百数十年程度に過ぎません。ただ、演繹的に考えて、営業キャッシュフロー(事業からの -
あなたが投じたお金は誰かに何らかの形で使われている!!
2021-12-28 21:09
株式市場は年末控えで換金売りになす術もなく下落トレンドが続いてきた。 この局面でリスクオフするのが良いかリスクテイクするべきか投資家の悩みは尽きないだろうが、言えることは一つ。 市場での取引はたとえ大きく株価が下落しようと、反対に高くなろうとそうした相場変動とはおかまいなく取引された株価分で市場参加者に役立っている。つまり売りたい投資家は買いたい投資家から得たお金を使って消費や別の投資に使い、経済循環に貢献している。 ここで錯覚しがちなのは皆さんが株式の流通市場に投資されたお金は企業に行くのではないということ。 企業に行くお金は最初に株式を公開(IPO)した時やPO(公募)などで新たなファイナンスが実施された場合のみとなる。ですから株価が上がろうと下がろうと企業の運営にはさほど関係がない。ですから企業経営者は株価に意識が及ばないことになる。 株式市場内での取引で買った投資家には株券(株 -
コロナで企業が目覚める
2020-06-17 19:40そろそろ自粛ムードから積極的に取材でもしようと先週あたりは企業への訪問を始めてみた。 最近株高が続くライトアップ(6580・時価2029円)のあるスタッフとは昨年の秋からやり取りさせて頂いているがなかなかアグレッシブな好人物だ。 その方とともにある上場企業に足を運んでみた。その企業については私の有料メルマガでご報告する予定だが、ばっちりハマった。 コロナで人と人が面談して成り立つ営業活動には支障が出ているが、ネットの方は昨年比倍のアクセスがありなかなか浮上しなかったビジネスが活気づいているとの話を聞くことができた。またこれまでのビジネスで積み上げてきた20万という顧客基盤をこれまで管理・活用ができてなかったが、今期は積極的に活用しようとしているとの話であった。 この会社のようにコロナがあったからこそのビジネス戦略の見直しが進んでいると言って良い。コロナ感染を防ぐための自粛ムードは経済には -
セラミックス:日本が誇る職人芸の世界4
2020-05-09 02:16セラミックス製造方法は前号で終了し、今回は排ガス規制についてです。 日本ガイシ・日本特殊陶業ともガソリン、ディーゼル車両の排ガス、燃費規制強化により、ビジネスが大きく育ってきた。 1963年に米国で酸性雨、オゾン層保護が目的の大気浄化法が制定され、自動車排ガスや二酸化硫黄排出の制限やフロン、四塩化炭素全廃の規制が成された。 その後、1970年に改正法であるマスキー法が提案され、、1970年以降製造される車両の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の排出量を10分の1以下に、1976年以降の車両では窒素酸化物(Nox)を10分の1以下とする世界一厳しい内容であった。 技術的に高い壁となったものの本田技研工業がCO、HC、Noxを同時に低減させるには燃料を完全に燃焼させる以外に方法はないと判断し、希薄燃焼実現に漕ぎ着けた。完成したエンジンはCVCCと名付られ、主燃焼室の上部に設けられた副燃焼室 -
頑張れ!!上場企業(その2)
2019-10-02 16:32上場企業は押し並べて業績を向上させながら、企業価値の向上に努めることになる。その経営の過程で株主をはじめとしたステークホルダーと対話を重ねながら業績の向上を目指す。 上場企業にとって株主、経営陣を含めた従業員及びその家族、取引先(上場、未上場企業)、提携先などステークホルダーとの関係は重要だ。株主は期間限定で保有することが多いが中長期スタンスで保有する安定株主も多い。 同じ発行済み株式数、浮動株数ならできるだけ中長期で持ってもらうことが良いし、そのためにも明確なビジョンを描いて株主に説明する努力が求められるが、IR不足の企業、説明が不得手な企業にあっては現実は厳しい。 そこには自社の評価を少しでも高めるための工夫が求められるが、これがうまくいくかどうかで市場での評価は異なってくる。 とにかく上場企業には頑張れ!!と言いたい。 既存株主に長期にわたって自社株に投資してもらう努力も重要だが、 -
頑張れ!!上場企業(その1)
2019-09-26 13:49このところの株高でいつの間にか東証1部の時価総額が約616兆円となってきた。 米中貿易摩擦の影響を不安視するよりも好需給(外国人の買い戻し、自己株買い、公的資金の買いなど)に支えられた株高との印象はぬぐえないが、この先もネガティブな要因を織り込みながら堅調な推移を辿っていってほしいと願わざるを得ない。 但し、相場に波乱はつきもの。 強気を言って逆を行くよりは多少慎重なスタンスを取りながら結果として上昇パターンを描けると良いが、とにかく頑張れ!!と言いたい。 世界3位の経済大国である日本の2019年の名目GDPは推計で約557兆円。東証1部の時価総額を下回っており、世界各国に比べ伸びがほとんどないことは皆さんもご存知の通り。消費税増税でGDPの6割を占める消費の伸びが抑制されたことが日本経済の成長を阻害してきたことは多くの識者が指摘する通りである。 それでも法人税減税効果から企業の利益は増 -
変化のある企業、ない企業
2019-08-22 04:35日々変化の激しい株式市場の中で活躍する企業もその時の状況で変化を見せるものだと言うのは本メルマガの読者の皆さんも十分に気が付いておられるものと思います。 個々の銘柄ごと、つまり企業ごとに置かれている状況は異なりますので、株価の変動にも差が出てきて当然です。株価を決める要因の基本は業績であり、業績が悪い、ないしこれから悪化しようという企業の株価が下落トレンドを示すのは当然だし、反対に業績が良い、ないしこれから良くなるという企業の株価が上昇トレンドを示すのは当り前だと考えられます。 とは言え、銘柄ごとに業績の変動パターンが異なるため株価の変動パターンにも違いが生じて参ります。最近は四半期決算の発表でその発表の都度、その内容を見て株価は変動をしがちです。 多くの投資家はそうした特徴を捉えて臨機応変に対応されているものと推察されますが、実際に皆さんがご興味を持たれているのはどんな企業でしょうか。 -
既得権
2019-06-18 00:26始めに。 ロシアで冤罪疑惑により不当逮捕とされた記者が釈放され、ロシア政府が早期の事態収拾を図ったとありました。真偽のほどを知る術はありませんが、この一件では同じ独裁政権と言われてはいるもののロシアと中国の差を感じました。もしこの事件が中国であったなら、一切の報道は規制され、記者が生きて帰ってきたかも定かではありません。 政治教育の差もあるでしょうが、欧州と対立し易いとはいえ、やはりロシアはそれなりに民主主義を経験している白人国家であり、天安門事件をはじめとした数々の隠ぺい歴史を持つ中国狂産党とは一線を画すなぁ~、と感じた次第です。 4、000年の歴史を持つ(尊敬する)中国と共産党政権とは似て非なるものです。政権を維持するために何度も自国民を殺戮してきた特殊な集団であり、香港返還に於いても「50年間は自治を保証する」との約束を平然と破る無法政権であることを忘れてはいけません。 今回の逃亡 -
株高の条件
2019-04-19 16:39海外投資家の売りを背景に日本株はやや頭重い展開が見られます。 昨年12月25日のブラッククリスマス(筆者は敢えてこう呼ぶ)がボトムでその後は海外株の上昇に先導された形で上昇傾向が続いていますが、じり高歩調ではありますが、頭重い展開がであることは明らかです。 実際に2018年度末の日経平均が3年ぶりに前年度末の水準を下回ったことでもこうした潮流は理解されます。 かつて筆者はロンドンの投資家顧問会社にトレーニーとして配属され、年金運用の現場を見て参りましたが、国際分散投資の視点で日本株はバブル崩壊後においても重要な位置にあったと記憶しています。運用対象の大半は日本を代表する国際的な企業でしたが、これは流動性の裏付けがあってのものでした。 と同時に日本企業の潜在的な成長力、技術力、優れた製品開発力などを評価してのものだったと理解しています。 海外投資家の国際分散投資ニーズがなくなる訳ではないで
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