-
【書評】初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略(山本潤著)
2020-06-12 15:21その3 ~長期投資に必要のないもの~ 今回も、投資メルマガ億の近道での執筆陣でもある山本潤さんの書籍をご紹介したいと思います。 https://amzn.to/2VBY0Rl 今回が最終回となります。 最終回は、とても大事な「投資家の社会的役割」について。 書籍のコラムの中に下記のような内容があります(文章は小屋が簡略化してます)。 これは株式投資を行っている人の社会的貢献を示した文章であり、株式投資とはお金儲けだけではない崇高な行動であることを示してもいます。「株式投資を通じて人類の将来の活動に大きな貢献をしたい」という気持ちで株式市場に居続けると、結果的に資産も大きく増えるものだということを投資家の皆さんには理解してほしいと強く思い、このコラムに共感します。【コラム略文】 投資家が拠出した資本は、企業に入り、そこでその企業の社員の固定給となります。 現在の日本では固定給のサラリーマンが -
【書評】初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略(山本潤著)その2
2020-05-29 15:44その2 ~長期投資に必要のないもの~ 今回も、投資メルマガ億の近道での執筆陣でもある山本潤さんの書籍をご紹介したいと思います。 https://amzn.to/2VBY0Rl 本書の第2章では、長期投資に不必要なものをしっかりと整理して解説しています【長期投資に不必要な17つの項目】 ・多数派の意見 ・一発逆転の発想 ・「すぐに上がる」という情報 ・個別株を単独で推奨する人 ・仕手筋の情報 ・特許や企業間の提携情報 ・急騰銘柄のチャートや年間の成績や損切りの重要性をうたった広告 ・鮮度の良い情報 ・日経新聞の記事 ・ヤフーファイナンスの掲示板 ・アナリストレポート ・セクター分類 ・日経の観測記事 ・業績の変化を追う事 ・PERの低さで勝負すること ・PBRの低さで勝負すること ・東証一部に昇格を控えている企業 弊社に来るお客様の中でも、長期投資にもかかわらず、以上の項目について普段気に -
【書評】初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略(山本潤著)
2020-05-15 13:53その1~初心者がやってはいけない投資手法~ 今回は、同じ億の近道の執筆陣でもある山本潤さんの書籍をご紹介したいと思います。●初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略 山本潤・著 かんき出版 https://amzn.to/2VBY0Rl 山本さんのご紹介はいまさら億近読者には必要が無いとは思いますが、日系・外資系の証券会社や運用会社で長く日本株式の運用を担当されてきた所謂株式運用のプロフェッショナルです。 そのプロである山本さんが、こうした株式の長期保有に関する書籍を執筆されたこと自体が株式長期ロング(買い持ち)派の小屋としては嬉しくてたまりません。 そして、本書はポートフォリオ運用が株式運用のリスクを適切に管理できる手法であると機関投資家では当たり前のことをしっかりと言い切っているのが個人投資家向けの書籍としては珍しいかもしれません。 山本さんもおっしゃっているように、世には株式評論 -
"お金"に対する展望
2020-01-09 15:16小屋です。2020年もよろしくお願い致します。 お正月は、ある程度まとまって本を読んだりしていました。 中でも、読み直しをしていた本で皆さんにご紹介したいと思ったのは新しい時代のお金の教科書山口 揚平(著) https://amzn.to/2FwW0SVです。 この本の中では、お金の持つ要素1.信用2.汎用お金の価値=使っている人の数×発行している母体の信用という事に触れたうえで、そのお金の将来の形まで推論しています。 現在のお金は国(中央銀行)が発行する法定通貨であるとすれば今後のお金は・代替通貨(無国籍通貨)・時間主義経済・記帳主義経済・信用主義経済に移行していくだろうと推測しています。 簡単に解説すると以下の通りになりますが、詳細が知りたい方はぜひ本をお読みください。・代替通貨(無国籍通貨) ビットコインに代表されるような仮想通貨、無国籍通貨が出てくるとは思われる。しかし、仮想通貨 -
書評:武士道
2019-06-26 22:08書評:武士道 新渡戸稲造 著、ちくま新書 https://amzn.to/2N8NjVt 本書において、武士道と騎士道が比較されているが、確かになるほどと思う部分がある。 特に、両者とも封建制度における「御恩と奉公」という一種の「社会契約」(文書によらない社会慣習法)に基づいて成立している点に注目したい。 武士も騎士も、社会契約により領地(国家)を守るために自己犠牲を払うことを当然とし、その基礎の上に、「名誉を重んじる」あるいは「死を恐れない」というような精神的規範が形成された。 封建制というと、いかにも古臭くて抑圧的に思われがちであるが、実のところ全く逆である。 例えば、欧州においては、絶対王政のもと、国民は農奴などの牛や豚(あるいは奴隷)と同じ扱いを受ける人々が大半であった。 そのような権力者が国民を蹂躙する中で、絶対権力に抵抗するかのように成立したのが封建制度である。 絶対王 -
書評:量子コンピュータ 超並列計算のからくり
2019-06-20 16:53書評:量子コンピュータ 超並列計算のからくり 竹内繁樹 著、講談社ブルーバックス https://amzn.to/2In5yls●コンピュータの歴史 マスコミが騒ぐ先端技術のほとんどは眉唾ものである。 常温超電導、常温核融合、空飛ぶ自動車、AIなど・・・詳しくは現代ビジネスの2018年8月27日の記事「騙されるな、空前の電気自動車(EV)ブームは空振りに終わる」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57205?page=3 を参照いただきたい。 量子コンピュータもその「空騒ぎ」の一つであると思われる。 数学的に二進法を確立したのは17世紀のゴットフリート・ライプニッツで、"Explication de l'Arithmetique Binaire"という論文も発表しているが、現代コンピュータの理論的な歴史は少なくともそこまではさかのぼるであろう -
書評:とことんやさしい宇宙線と素粒子の本
2019-06-13 16:04書評:とことんやさしい宇宙線と素粒子の本 山崎耕造著、 日刊工業新聞社 https://amzn.to/2WvOOfE キリスト教は「終末論」で信者を増やしてきた宗教であり、初期の終末論として有名な「ヨハネの黙示録」(執筆年代はローマ皇帝ドミティアヌスの治世(西暦81年~96年)の末期といわれる)は、遠い未来の話では無く、当時キリスト教を迫害していたローマ帝国が神の怒りに触れて滅亡し、キリスト教徒が救われるというリアルタイムの話(いろいろな説がある)であった。 しかし、その後なんとコンスタンティヌス1世は、311年に「ミラノ勅令」を発布。325年にはニカイア公会議を開催してキリスト教を国教化している。 さらに西暦1000年のミレニアムには、終末論が再び高まり、贖罪のために全財産を貧者にばら撒いた金持ちも少なく無かったようだ。 西暦2000年の際にも、Y2K問題というコンピュータプロ -
とことんやさしい燃料電池の本 第2版
2019-06-06 14:38書評:とことんやさしい燃料電池の本 第2版 森田敬愛 著、 日刊工業新聞社 https://amzn.to/2Xp52sr●地球温暖化騒動という愚行 私は、「地球温暖化騒動」は、ほとんど根拠が無いものと考えている。 もちろん、古代から地球の気温は、何回もの氷河期を挟んで、激しい変動を繰り返しているから、地球の気温が変化しないということでは無い。むしろ、過去の大幅な気候変動に比べれば、現在の地球の気温は、安定的であるということだ。 そもそも、厳しい氷河期が終わり「地球温暖化」が始まったからこそ、1万年ぐらい前から人類は偉大な文明を築き始めた。地球温暖化と「人類が排出する二酸化炭素」の因果関係を明確に示す証拠などなにひとつないということでもある。二酸化炭素は元々地球の大気中に大量に存在し、二酸化炭素のおかげで植物は生育できるのである。 ちなみに、シアノバクテリアが登場して、酸素を大量に -
書評:銃・病原菌・鉄(下) 1万3000年にわたる人類史の謎
2019-05-27 23:24書評:銃・病原菌・鉄(下) 1万3000年にわたる人類史の謎 ジャレド・ダイアモンド 著 草思社 https://amzn.to/2VXpnYr●「愛と思いやりの社会」と「恐怖と暴力で支配される社会」 本書は<銃・病原菌・鉄>を主題とした文明論であるが、人類の「コミュニケーション」について述べた本とも言える。 「銃による殺し合い」、「病原菌による感染」、「鉄という「知識」の伝達」はどれも、人間と人間の間のコミュニケーションによって発生する。 著者は「我々が未開だと思っているアボリジニなど狩猟採取生活をしている人々の方が個体としては優秀だ」と述べている。 筆者も全くその通りだと思う。例えばアボリジニに限らず、ナイジェリアなどでも「弱い乳幼児」はすぐに死亡する。厳しく言えば自然淘汰だ。日本のような先進国ではごく当たり前の「保育器」など提供されない。 また、高齢者も自分で自分の面倒を見ることが -
書評:二宮尊徳 財の命は徳を生かすにあり
2019-04-25 01:46書評:二宮尊徳 財の命は徳を生かすにあり 小林惟司 著、ミネルヴァ書房 https://amzn.to/2ICxQK4●真の革命家・尊徳 二宮尊徳(金次郎)は歴史に名を残す有名人だが、その功績・人柄が誤って伝えられている典型であろう。 戦前の修身の教科書に、明治天皇の次に多く取り上げられていることから、軍国主義教育と結び付けられがちだが、むしろ尊徳は戦後GHQや米国人の研究者から「リンカーンに匹敵する民主主義の巨星」とほめたたえられたくらいである。 まず、農民から幕臣にまで大出世したことだが、本人が望んだことでは無い。むしろ、尊徳のすぐれた行政・財務改革に嫉妬・畏怖した小田原藩の家老をはじめとする武士の抵抗勢力が、小田原藩の改革に口を出せないように祀り上げてしまったというのが真相だ。 実際、ほぼ同じ時期に小田原藩はとてつもない功績を残した尊徳に、藩への出入りを禁止するという忘恩行為を行っ
1 / 8