• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 39件
  • 世襲の悪行

    2023-02-08 10:49  

     先月18日の政策決定会合では日銀は政策変更(利上げ)をしませんでした。その結果として当日午後は急速な株式や円のショートカバーが入ったと思われます。が・・・、「日本株は大して上がらない」「いずれ金利は上がる」と読む海外ファンドを中心とした投資家は株価が上がる度にショートを入れます。 先月後半は買戻しによるものか日経平均株価は27,000円台へ戻しましたが、その後の上値は重く、日本株は今年も厳しい相場が続く予感がします。 足元のIMFの推計では日本の2023年の成長率見通しは1.8%であり、前回予想からは若干の鈍化となります。が、今の経済環境が続くのであれば来期業績は悪くとも横ばい程度は維持しそうですから割安とは思うのですが、日本株に対する国内投資家に厚みが無く、且つ信頼感も薄い故に国内投資家による売買は低迷し、結果としてファンドによる人為的な株価操作がされ易くなっています。 PBR(株価
  • 市場の変化を探す

    2023-01-25 00:21  

     最近は景気が悪化するとのコメントが増えるとともに、株価が上がったときには円安メリット、下がったときには円高デメリットとの単純なコメントが増えていますが、ここ最近の市場コメントは何となくぼやけています。 本当にそれほどの景気悪化になるのか? 円高とはいっても1年前からはまだ10数%の円安ですし、資源高が続くうちは安易に円高に戻るとも思えません。利上げ無しでも円安に進むことも無く・・・。 今後も金利の引き上げへのプレッシャーが高まるとは言え、せいぜい1%が限度です。例え新年度の企業収益が今期と同程度に留まっても日経平均株価が26,000円で予想PERは12倍強ですが、その割には弱気派が増え、年前半は欧米の景気悪化の影響で株価は下げ易いとのコメントが多いようです。でもこれらは既にある程度見えている事象ですよね。 もっとも、世界の市場の混乱に拍車をかけているのが欧米の投機マネーです。 資源に限
  • 市場資金の逆流

    2022-04-11 15:54  

     ロシアによるウクライナ侵攻(大虐殺)が始まって1か月以上が経ちました。 この暴挙や大虐殺には言葉を失いますが、この過程で我々が見聞きしてきたものは両国の戦闘だけではなく、ロシアに対峙する西側主要国の(いやらしいほどの)自国経済重視の姿勢です。 危ないことを承知で安いロシア資源に頼ってきたツケが巡ってきた訳ですが、過去数百年にも渡り世界中から収奪した富でも潤ってきたのですから、こんな時くらい経済が低迷しても良いじゃないかとも思いました。白人の驕りを感じる次第です。 被害者はウクライナ、ロシアの両国民であり、加えて、今まで西側諸国の繁栄から恩恵を受けていない他国の多数の国民達です。 もちろん日本も民主主義国家の一員ではありますが、安易に西欧の政策に同調するようなことをせず、アジアの主要国として長期の視点を持って困難に立ち向かってもらいたいところです。 全く無意味な5,000円給付金ごときで
  • 医療とは

    2021-06-01 01:16  

     4月下旬から1ヵ月近く、米国ナスダック市場に引きずられるように東京マザーズ市場が崩れました。米国市場ほどの力強さはありませんが、上がるときも下がるときも海外投資家次第のようです。 個別では、バリュー銘柄とITハイテク銘柄を並べて眺めていると、どちらかが買われるともう一方が売られるという展開が頻繁にあります。1日の間に行ったり来たり。とても機械的な値動きですのでプログラムが動いているのでしょう。 今朝(27日)午前中はファンドのポジション調整か整理とかでしょうか?先物主導の動きで、指数の動きに特徴があります。マザーズ市場など中小型銘柄は気迷いが続いているような。 今や日本の市場は7割以上が海外投資家(ファンド)による売買であり、実際の売買の8割くらいが(アルゴ、AI?などの)自動売買でしょうか。トレンドフォロー型が多いためか?動き出すと1~2週間は同じ方向に動きますので、タイミングに注意
  • 市場潮流

    2021-03-30 15:35  

     今週(3月22~26日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で615円35銭下落し(率にして2.07%の下落)、2万9176円70銭で取引を終えました。3週ぶりの下落です。 米連邦準備理事会(FRB)が大手銀行の資本規制の緩和措置終了を発表したことに加え、前週の日銀の上場投資信託(ETF)の購入方法の変更、新型コロナの変異ウイルスの拡大などが重なり、週初から売りが先行。年度末を控えた機関投資家のポートフォリオ・リバランスによる売りへの警戒感も重荷となりました。 日経平均株価は24日(水)まで4日続落しましたが、25日(木)は前日比324円高と大幅に反発。26日(金)も同446円高と大幅に続伸しました。米国株が底堅く推移していることも下支えとなりました。 足元では、20年度の通期業績計画を上方修正する企業が目立ち始めました。 来週以降、こうした傾向は強まるものと思います。 来週の新年度入
  • 市場潮流

    2020-10-07 20:42  
     今週(9月28日~10月2日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で174円72銭下落し(率にして0.75%の下落)、2万3029円90銭で取引を終えました。3週連続の下落です。 週初の28日(月)は、9月末の配当権利付きの最終売買日にあたり、配当再投資に関連した先物買いなどが寄与して、日経平均株価は前週末比307円高と堅調な滑り出しとなりました。 29日(火)は、配当権利落ちの影響が約142円ありましたが、前日同様に配当再投資の買いが入り、前日比27円高と続伸しました。 30日(水)は、日本時間の午前に開催された米国の大統領選候補のテレビ討論会で、民主党のバイデン候補が優勢になったとの見方が広がり、同253円安と大幅に下落。 続く10月1日(木)は、システム障害で全銘柄の売買を終日停止。 2日(金)は、米国のトランプ大統領夫妻が新型コロナウイルスに感染したとのニュースが飛び込み、同15
  • 米国株式市場の行方

    2020-09-14 14:56  
     コロナ禍により日米欧の金融政策(ゼロ金利政策)が揃いました。 欧州では復興基金の創設により(平たく言えば)ドイツ政府が南欧諸国の財政を支える構図が出来ました。EU諸国の財政統一が一歩前進したことになり、南欧諸国の財政が安定することにもなろうかと思います。 これら主要国が執るゼロ金利政策と無制限とも言えるQEにより先進国の金融市場に資金が流れ込んでいますが、日本の課題としては、米国にはインフレ期待があり日本には無いことです。欧州はその中間にあると思われます。米国ではFRB主導でインフレ目標を設定していますが、日銀は既に数年前にインフレ目標達成を諦めています。 以前は日本にもインフレ期待があり、21世紀に入っても日銀は継続的にインフレ目標を定めていましたし、2013年からの黒田日銀総裁による大胆な金融政策とともに株式市場はインフレ期待によるデフレ脱却を期待しました。 当初、黒田総裁は2年での
  • 大魔神のアンテナ 新型コロナ感染者拡大でも株式市場は無視する理由

    2020-08-05 11:27  
     3月の時はパニック的な売りが売りを呼び大きく下落した。そして、今まさに第2波が到来している。米国での死亡者も3月に比べて増加傾向を示している。 日本においても死亡率は低いが感染者は10代から30代までの若者の感染者が爆増している。それに伴い高齢者も増加傾向を示しつつある。 本日(30日)も東京都で367人感染と発表された。重症患者も22名と増加している。 その報道があっても株式市場はちょっとした売り材料になっていたが、反対に新型コロナ関連株が物色された。「プレシジョン・7707」検査キッド関連銘柄が物色対象になり、マザーズ市場は上昇しておわりました。この動きからも超不思議な株式市場です。 無論、米国市場も同様です。 複数の州で感染者拡大の報道が続いていましたが、多少売り材料になっても、新型コロナワクチンがフェイズ2、フェイズ3に開発が進展したことについては大きな買い材料にしており、株式市
  • ふるさと納税 その2

    2019-06-10 17:44  
     2年ほど前のメルマガで「ふるさと納税」の制度の不備について書きました。 何が悪く、何が不備なのかは当時から既に明確でしたが、型破りな自治体(笑)が出てきたことで漸く対応策が出てきたところです。 この程度の事に2年以上掛かりました・・・すべてが遅い(呆) SBGの孫会長など成長企業のトップなら、こんな問題など1日で決断して2日で解決していることでしょう。日本の行政の場合には、このような課題を解決するために365日×2倍の時間がかかると言う事です。 これに倣えば、30年ほど前から課題となっている少子高齢化問題については、あと700年ほど経ってから漸く解決策が出て来ると言う始末で、恐らくその頃には日本民族は消滅の危機に瀕しているのかと(涙) 何故にこんなに時間がかかるのかと言えば、毎度のこと、利害関係者全てへの根回しが必要だからです。推進している国会議員や地方議員、行政関係者に加え、この制度を
  • 為替市場動向~すべては米中次第?~

    2019-05-31 02:09  
     米中貿易問題、EU議会選挙、BREXIT関連のニュースがヘッドラインで目立つ中、長期金利の低下が主要各国で進んでいます。 米国債10年もの利回りは、2.3%を割り込み、直近では2.24%まで低下。これは、2017年10月以降の水準。これは、政策金利の実効レベルである2.4%を下回り、ここだけ見ると逆イールド状態になっています。 一般的には、景気後退予兆のサインとしては2年物vs10年物利回り(直近は、+0.13BP)とされてきましたが、ここへ来て、超短期金利と長期金利の比較も取りざたされるようになっているのは、利下げ期待に加えて、昨今の長期金利の低下の背景には、やはり景気後退入りが近いのでは?という心理が見え隠れしているのかもしれません。 先週5月22日に、5月のFOMC議事録が公開されました。 注目されたのは、金利面のことよりもFRBのバランスシートにある国債ポートフォリオの再構築につ