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本日上場2日目にしてストップ高したPKSHA Technology(3993)が関心を集めています。
何をやっている会社なのかと言うと「機械学習技術等を利用したアルゴリズムの開発及びライセンス提供」とあります。
更に同社のサイトなどを読み進めると興味深い話が登場して参ります。
この横文字だらけの社名をどう読むかは既にご存知かと思いますが、「パークシャ テクノロジー」と読むそうです。東大発ベンチャーにふさわしい社名なのかも知れません。
市場から61億円余りの資金を吸い取った銘柄の運命やいかに・・。
既に時価総額は870億円を超えています。
急成長しているようなので9月期の業績が、どうなるかは分かりませんが上場時の資料で推定するに経常利益は4億円程度だと見られます。
今期以降の伸びに期待しての評価ではありますが、投資家は既に大きなリスクを背負い始めたと言えます。
期待とともに不安も募りそうですが株式相場の世界は期待が先行します。
同社がコア事業にしているアルゴリズムという言葉の定義は
「何らかの問題を解決するために知的設計されたソフトウエアロジック」
だそうです。
同社のサイトには、
「我々は、未来のソフトウエアとしてのアルゴリズムを自ら創り、そのアルゴリズムの力で様々な社会問題を解決すべく、近未来のポストデジタル情報社会へ向けて価値を創造すべく、事業展開してまいります。」
とあります。
マザーズ市場では今年も数多くの銘柄がIPOを果たしています。
未来を先取りする企業群に支えられたマザーズ市場はこのところやや停滞気味ながら同社のような未来志向のR&D型企業が登場することで活性化されてきます。
投資家にとって時価総額6兆円の日本郵政も良いかも知れませんが、時価総額の小さな未来志向のマザーズ銘柄も興味の的と言えます。
現在、マザーズ市場に上場する企業の数は241となっています。
この数が多いのか少ないのかで言うとまだ少ないように感じられます。
JASDAQには706銘柄、東証2部には524銘柄が上場していますのでそれらに比べれば少ないですし、セクターも創薬ベンチャーやゲームなどに偏っていると感じられますのでもっと業種の幅が広がるためにも上場企業数は増えて良いでしょう。
問題は大幅赤字のまま上場を続けている創薬ベンチャーが数多く上場しているためにPERなどの指数がほとんど意味をなさなくなっていること。
この際、東証ないし証券会社は赤字の創薬系銘柄を除いたマザーズ指数の公表と指標(PER、PBR、配当利回り)の公表をすべきかと思われます。
そうした視点でマザーズ銘柄は通常のマーケットのバリュエーション対象からかけ離れるケースが多い点に注意が必要です。
常識的な範囲では上場企業のPERは6倍から30倍程度だろうと思いますがマザーズ銘柄には100倍以上という水準で評価されている銘柄もあります。
恐らくPKSHAもEPSは30円程度に過ぎませんのでPERは200倍を超えていると推察されます。ただ30円のEPSが5年程度で300円まで行けばPERは22倍になってしまいます。
高成長企業のPERは普通の銘柄とは比べようもありません。
そこに夢がからまりついての株価形成となります。
現実についている株価には投資家の夢の部分が含まれています。
皆様も夢の持てるマザーズ銘柄をご自身の手で見出してみてはいかがでしょうか。
できれば割安に放置された状態のマザーズ銘柄ですが、これはもしかしたら至難の業と言えるのかも知れません。
マザーズ銘柄をきちんと評価するには企業体との面談等から裏付けとなる情報を引き出す必要があります。
投資家の視点は様々です。今、高い評価がされているからと言ってそれを鵜呑みにしては後で大きなロスを生じたりもします。中長期的な視点であれば企業の発信する情報をしっかり吟味してからの投資が望ましいのかも知れません。
マザーズ銘柄の指標が示されていないというのには裏があって業績がイレギュラーに低迷し、少額の利益に陥った場合に数字の面で単純に高PERになってしまうケースや本当に将来性があり成長性が期待できる場合などがあってPERが通常の評価では収まらないことがあるのです。
これはPBRにおいても言えることで通常は低くて0.4倍だったり高くて10倍とか企業によってばらばらですが、マザーズ銘柄の場合は極端なケースがあってなかなか定まらないことが多いのだろうと思います。
また、配当利回りも無配株が多く平均値はイレギュラーになってしまうといったことが生じます。
ですから総じてマザーズ銘柄は将来の利益成長性でかたずけられてしまうことの方が多いと推察されます。
相変わらず今年もマザーズにIPOしてくる銘柄が数多くあります。
2016年は54銘柄がマザーズにIPO。2017年も既に30銘柄がIPOを果たして成長意欲を示しています。
つまりこの1年と9カ月ほどの間に84銘柄がIPOしていることになります。現在のマザーズ銘柄の35%は直近になってIPOした企業と言うことができます。
なぜそうなるのかと言うとマザーズに上場した企業は成長意欲が高いため結果として業績の拡大とともに東証2部、1部へと昇格していく流れがあるためだと考えられます。
逆に言うといつまでもそこに留まっているようでは成長性がない証となって言われてしまうこともあるわけです。
東証1部の大企業も昔は小さなベンチャー企業。マザーズやJASDAQ市場で成長を目指して努力をした結果、東証1部企業になる・・。
こうした好循環をもたらすことが株式市場の有効な機能でもあります。
投資家の皆さんもぜひマザーズ銘柄を研究され将来の成長の芽を持つ有望な銘柄を発掘されてはいかがでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)