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反体制の米国在住サウジアラビア人記者、カショギ氏がトルコのサウジ大使館で死亡したことが伝えられ、米国とサウジの関係が微妙になる中で影響を受けたのはサウジのサルマン皇太子と仲の良い孫さん率いるソフトバンクグループ(9984)。
先週末のソフトバンクG株は前日比1.22%下落し、日経平均の下落率(0.56%)を上回る下げとなりました。
このところの日経平均の上昇を牽引してきたソフトバンクGの株価が上がらないと日経平均も元気が出ない。これをカバーするのは今8月期も好業績見通しを発表したファーストリテイリング(9983)となるのか、ここしばらく下落基調が続いてきたファナック(6954)や東京エレク(8035)が反転に転じることによるのかなど興味津々といったところです。
ソフトバンクGは9月24日高値11500円から10月15日安値9164円まで20%下落して時価は9530円。時価総額が10.5兆円の株にしては随分と軽い値動きをしていますが、これもまだまだ成長のベクトルが高いとみなされている上、浮動株が6.7%と少ないが故のこと。
ARM買収に10兆円ファンド(このうちの5兆円をサウジアラビアで出資)設立、トヨタとの提携など矢継ぎ早の事業展開で評価が高まったところで今回の問題がどうなるのか・・。
有利子負債を膨らませながらも税前利益1兆円を超える水準に至っている企業だけに、かつて表明した凡人には想像もつかないような100兆円の時価総額に向けた野望はむしろこれからなのかも知れませんが、果たして今回の件に対する対応はどうなるのか。経営の範疇を超えた問題だけに判断が難しいのかも知れませんが、こういう時こそ孫社長の判断や手腕が問われます。
ちなみに、ファーストリテイリングの実力は今期予想税前利益で2700億円に留まり、それに対して時価総額は5.6兆円の規模となっており、かなり将来を先取りした評価がなされていると言えそうです。それでも過去の成長実績から未来も読み取ることができ、これも事業をますます拡大させているためにかなりプレミアムがついての評価と言えそうです。
また、保有する期末現預金が約1兆円と実力のベースが高まり、国内よりも海外での成長が加速。今期末には世界中で3677店舗を展開する見込みで先行投資となる物流などの設備投資を今期693億円見込むなど鼻息は荒い。日本の大手物流機器メーカーとダイフクと手を組んでの地道な事業展開に期待は高まっています。
こうしたことから、ソフトバンクGとともに指数の押し上げ役を担い6万1970円の2015年高値更新に向け動いているものと推察されます。
一時的にもこれらに変わる225銘柄が今後の日経平均の動向を占うポイントになるのかも知れません。私は日経平均の頭が重くなるとなれば、お休みしてきた銘柄、とりわけ中小型銘柄の中から大化けする銘柄が出てきてもおかしくないと見ていますが、その片鱗は既に現れているように思われます。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)