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調整場面は投資のチャンス
2023-08-10 13:18
株式相場は短期上昇局面から調整場面を迎えています。個別銘柄にもよりますが強気の見通しが継続する一方で株価の水準が高まった銘柄群には利益確定売りが出ており、株価低迷銘柄の戻りにも相変わらず容赦ない戻り売りが見られます。 需給次第で株価は変動を見せ、中にはとても割安感が出ているのに過剰に売られる展開の銘柄も出て参ります。 投資家は基本的には安く買って高く売るというスタンスで運用成果を高めようとしますが、継続的な下落が想定される銘柄は早めに見切るというスタンスを取ることになりますが、その見極めが求められます。 株価の変動は安値圏から高値圏、高値圏から安値圏というパターンが見られ、天井も大底もなかなか見極めが難しい。そこでそれぞれ打診の売り買いをして確認することになります。 結果としてうまく高値で売れたり、安値で首尾良く買えたりしますが、それぞれ高値圏、安値圏の5%程度の中でベストの売り、ベス -
低PBRの打破には企業の奮起が必要
2023-08-10 13:16
このところ低PBR銘柄なら何でも良いという潮流がありましたが、そうした潮流が先週はやや一服したように思える相場展開が見られました。 主力株の一角も含めピーク感が出る中で、何でもかんでも低PBRだから物色されるという潮流に反省気運が出たということですが、東証の低PBR是正要請に企業側の対応が本当になされているのかが問われているものと推察されます。 投資家は投資対象となりそうなテーマとして今回はまず機械的に低PBR銘柄をピックアップして一定のポートフォリオを構築して取り組まれたものと推察されますが、余り企業の中身が良くない銘柄など一定水準まで株価が上昇した段階で売ろうと考えるでしょう。 なぜこの会社はこんなに低PBRで評価されているのかが問われている中で企業からの是正の具体的施策が打ち出されない銘柄には疑問が出てきて当然です。経営者は単に単年度の業績を上げれば良いというだけでなく、中長期な -
四半期決算好調でも通期見通しを変えていない銘柄への投資
2023-08-10 13:14
四半期決算発表のラッシュです。 ポジティブにもネガティブにもサプライズがあると株価は発表されてからかなり変動を見せているようです。 ここで考えないとならないのはまずは進捗率の問題です。 第一四半期の業績が中間期や通期の見通しに対しどの程度進捗したのかを見るのですが勿論、進捗率が高いと通期業績の達成確率が高まり、上方修正される期待も高まりますのでポジティブです。その進捗率を見て株価は変動します。想定通りならば株価は中立的になります。問題は企業ごとに四半期業績の推移のパターンが違うことです。 いくら1Qの進捗率が高くてもビジネスがその後に縮小することもあり得ます。実際には単純に進捗率だけで判断してはいけないかと思われます。 短信に書かれている企業のメッセージをしっかり読み取り、中間期や通期に向けたイメージをしっかり掴む必要があります。 また進捗率も売上や営業利益、経常利益に分けて評価が必要 -
東大生と京大生への講演 その1
2023-08-09 15:39
「アナリストよ、歴史家のように記述し、科学者のように分析し、芸術家のように共感し、哲学者のように思考せよ。」 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。■1■疑問 「バイサイド」と呼ばれる機関投資家に所属し、運用の現場で日々奮闘している若いアナリストたちは四半期ごとの短期業績について膨大な時間を費やしている。それらは本当に重要なことなのだろうか。 運用の現場では、ファンドマネージャーが売りと買いの材料を「絶えず」探しているように見える。 投資の材料を「絶えず」探し回る必要はあるのだろうか。 運用対象としての株式はそんなに頻繁に売買する必要があるのか。 今日10%下落している銘柄を明日5%リバウンドするかどうか議論をする。 この議論は本質的なものだろうか -
慣例、習慣とは
2023-08-09 00:29
先月23日の日経新聞のコラムでニデック(旧日本電産)の永守会長が「これだ!」と言うコメントを仰っていました。要約すれば、寝ぼけた経営者に活を入れる為にも「TOBをし易いマーケットにしろ!」と言うものでした。 流石です。 これを読んで取引所などの市場関係者はどう感じたことでしょう。 「ヨッシャ!」と感じた方が多数居らっしゃることを期待します。 社内政治で役員や社長になった(やっとなれた、笑)経営陣が事業に専念しないがために上場企業の進歩が遅れていることを端的に指摘された訳です。 筆者の気持ちを大物経営者が代弁してくれたことが嬉しく、「これだ~!」と感じ入った次第です。 が・・・、最近思うところでは、6月の総会が済んだ後には四半期決算発表で踏み込んだ株主還元を表明する割安(レガシー)企業は今のところ殆ど見当たりません。 やっぱり横並びで、総会を乗り切るための一時的な対応で終わってしまったの -
夏休みは家でお金のことを学ぼう
2023-08-07 16:30
夏休みは、子供がお金のことを学ぶには最適なときです。 今回は、小学生、中学生、高校生向けのお金の学び方を解説します。 お子様が小学生の場合は、家に次のようなルールを作りましょう。「お金は仕事をしたらもらえる」 ここで重要な点は、思いつきではなく、ルール化することです。 たとえば、毎日家のお風呂掃除をするとか、家族全員分の布団をたたむなど(和室の家を想定)の毎日できるような仕事を子供に与え、働いた分のお金をあげるというものです。 働かなかったらお金はもらえないということになります。 夏祭りに行く、旅行に行く、という予定があるならしっかり稼がないと楽しめないということです。自分の好きなことをするためには、働く必要があることを夏休みに体験してもらいましょう。 中学生の場合は、投資のことを学んでも良いと思います。 普段、テストや部活に忙しい中学生も、夏休みなら少しは、投資について学び、調べる時 -
有料メルマガライブラリから(487)「銘柄研究を活かしてバーゲンセールにならぶ宝玉を拾いたい」
2023-08-04 15:41
有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「銘柄研究を活かしてバーゲンセールにならぶ宝玉を拾いたい」= (有料メルマガ第338回・2015/7/14配信号)※2015年7月現在の内容です。留意してお読み下さい。【前略】 中国バブルが崩壊したら中国への投資に傾斜しすぎている伊藤忠商事が大きな痛手を受けると考えていたので、去年の末に保有していた伊藤忠商事の株を3月の配当権利最終日の前に上がったところから利喰いして、配当権利落ち後にも、利喰いの売りを行って年末の持ち株数よりは半分に減らしていました。 総合商社のうち、三菱商事と三井物産はリー -
株価低迷銘柄研究
2023-08-02 16:19
指数自体と個別高配当利回り、低PBR銘柄群の株高で運用成果を高めた皆さんは利益確定されて、次の展開に備え様子見の状態かも知れません。 全体相場は多少調整含みの展開ながら、相変わらず先高感は残っていますので、押し目があるとすかさず買われます。先週末の日銀の政策変更ニュースは市場を駆け巡り、日経平均は乱高下を見せましたが、すかさず元に戻る展開を見せました。 今週は週初の1日だけが7月で、火曜日からは8月となります。 ここからはまた四半期決算発表のラッシュ。為替が円安となる中、値上げラッシュの一方で原材料価格は既にピークアウト。コロナ後の需要回復なども踏まえ、足下の業績は堅調。明るい中で相変わらずの先行き不透明感を企業はメッセージとして伝えてくるかと思われます。 こうした中にあって投資家の皆さんは少しでも運用成果を高めようとされているものと思われます。基本的な株式相場の潮流は変わらないとして -
個別銘柄の株価変動を楽しむ~強弱感分かれるNTT株~
2023-08-02 16:18
全体相場が波乱となる中で個別株にも多少は影響が出ておりますが、その大半は個々の銘柄の事情によって異なっています。 あれほど25分割前にメディアなどで取り上げられていたNTT株が分割前の高値から10%余りも下落すると保有されている投資家の皆さんの心理状態はついネガティブに傾きがちとなります。 ここでの不安感は発行済み株式の30%余りを占める政府保有株が放出されて民営化されるのではとの議論が台頭していることが背景かと思われます。この話題は以前からあったので、今さらこのタイミングで取り沙汰されるかな?といった印象ですが、過去から今日までの株価水準から長期保有されてきた投資家の皆さんも一旦は分割も終わって売ろうかと思っておられるのかも知れませんので売り優勢となってきたとも考えられます。 政府もJTやNTT株など保有株の上昇で防衛予算等の財源が確保できる訳で、市場に影響を及ぼすような放出は避けた -
ファイナンシャル・インディペンデンス
2023-08-01 14:42
先日のメルマガ対談、ゲストの「エノテカ オルチャ」のオーナーシェフ富田泰正さんから、「ファイナンシャル・インディペンデンス」というキーワードが出ました。「このぐらいあれば、もうお金のことであくせくしたり不安になったりしない、そのぐらいの資産を築き上げた状態ですね。だから、仕事をしながら自分もそういう状態になれればいいなという意識は常に持っていました」(富田さん) じつは最近流行の「FIRE」は「Financial Independence, Retire Early」の略。FI=ファイナンシャル・インディペンデンス、RE=リタイアメント・アーリーです。 とても幸せに日々を過ごされているように思えた富田さん。お金のことにあくせくしない暮らしは誰もが憧れる状態です(詳しく過去メルマガをご覧ください)。 では、どうすればファイナンシャル・インディペンデンスを実現し、リタイアメント・アーリーで
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