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3月21日に黒田東彦が総裁に就任してから1か月の間に矢継ぎ早に大胆な政策を打ち出してきた日本銀行ですが、4月27日に発表した「経済・物価情勢の展望」報告でまたもびっくりするような強気な見通しを発表しました。
本日のメルマガではこのレポートの内容を見ながら日本銀行が今後の日本経済をどのように見ているか(誘導しようとしているか)について考えたいと思います。
まず、今回のレポートで注目したい点は日銀の今後の日本経済の見通しがバラ色のような表現になっています。前任の白川さんの記者会見の様子とは全く異なります。
具体的にあげると
・海外経済が回復して輸出も大きく回復して成長率に寄与する
・金融緩和によって将来の物価上昇が予測される
・政府の公共投資によって今年の経済は下支えされている
・労働需給環境も改善して、従業員の賃金給与は上昇する
・賃金上昇や物価上昇予測によって消費も活性化する
・結果的に日本経済は力強く回復していく
というシナリオになっています。
もちろん、実現を妨げる様々なリスク要因は挙げられています(例えば、海外経済の不調、財政問題の表面化など)が概ねはこの日銀の描く強気のシナリオで推移することが前提となっているような記述になっています。
そして日銀が対外的な公約としてきている「物価上昇率2%」はレポートによると2015年には十分に達成可能だと言う結論に至っています。もちろん公約ですのでレポートの結果が2%達成と言う結論に至るのも当たり前の話ですが。
しかし一方で、レポート発表後の黒田総裁の会見では審議委員の中の佐藤委員(モルガン・スタンレーMUFG証券 経済調査部チーフエコノミスト)と、木内委員(野村證券(株) 金融経済研究所 経済調査部長)が物価上昇率2%の達成実現性に対して反対の意見を述べられたことも表明しています。
つまり日銀審議委員の中でもその実現可能性に疑問を持っている人も少なくないと言う話なのです。
それでもこれまでの日銀と大きく異なるところは、コンセンサスを重視する(あまりリスクを取らない)姿勢から、黒田総裁をはじめとする日銀のコミットメントを強く打ち出す姿勢に大きく転換してきたことが大きな驚きと同時に、期待も感じます。
投資家の皆さんにおいては、今後の相場の中でこうした日銀の強いコミットメントがあるという事を前提に、株式・債券の見通しを検討される必要があるともう一度認識しなおす必要があります。
私個人的には、こうした日銀の示すメインシナリオを基本シナリオとしながら、日銀の示すリスクシナリオについても十分に留意して、その対応を考えておくのがこの2~3年の投資では重要だと考えます。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
本日のメルマガではこのレポートの内容を見ながら日本銀行が今後の日本経済をどのように見ているか(誘導しようとしているか)について考えたいと思います。
まず、今回のレポートで注目したい点は日銀の今後の日本経済の見通しがバラ色のような表現になっています。前任の白川さんの記者会見の様子とは全く異なります。
具体的にあげると
・海外経済が回復して輸出も大きく回復して成長率に寄与する
・金融緩和によって将来の物価上昇が予測される
・政府の公共投資によって今年の経済は下支えされている
・労働需給環境も改善して、従業員の賃金給与は上昇する
・賃金上昇や物価上昇予測によって消費も活性化する
・結果的に日本経済は力強く回復していく
というシナリオになっています。
もちろん、実現を妨げる様々なリスク要因は挙げられています(例えば、海外経済の不調、財政問題の表面化など)が概ねはこの日銀の描く強気のシナリオで推移することが前提となっているような記述になっています。
そして日銀が対外的な公約としてきている「物価上昇率2%」はレポートによると2015年には十分に達成可能だと言う結論に至っています。もちろん公約ですのでレポートの結果が2%達成と言う結論に至るのも当たり前の話ですが。
しかし一方で、レポート発表後の黒田総裁の会見では審議委員の中の佐藤委員(モルガン・スタンレーMUFG証券 経済調査部チーフエコノミスト)と、木内委員(野村證券(株) 金融経済研究所 経済調査部長)が物価上昇率2%の達成実現性に対して反対の意見を述べられたことも表明しています。
つまり日銀審議委員の中でもその実現可能性に疑問を持っている人も少なくないと言う話なのです。
それでもこれまでの日銀と大きく異なるところは、コンセンサスを重視する(あまりリスクを取らない)姿勢から、黒田総裁をはじめとする日銀のコミットメントを強く打ち出す姿勢に大きく転換してきたことが大きな驚きと同時に、期待も感じます。
投資家の皆さんにおいては、今後の相場の中でこうした日銀の強いコミットメントがあるという事を前提に、株式・債券の見通しを検討される必要があるともう一度認識しなおす必要があります。
私個人的には、こうした日銀の示すメインシナリオを基本シナリオとしながら、日銀の示すリスクシナリオについても十分に留意して、その対応を考えておくのがこの2~3年の投資では重要だと考えます。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)