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セラミックス:日本が誇る職人芸の世界3
2020-04-22 01:19前号ではセラミックス製造の混錬を記載しましたが、今回は成形工程以降です。【成形工程】 成形方法には押出し、射出成形、加圧成形、鋳込み等がある。 押出し成形はセラミックス原料である粘度に圧力をかけ口金(一種の金型)から押出す方式。断面積が一定なのでパイプ状に適しており自動車排ガス用フィルターなどの多孔質セラミックス製造に適している。 押出し速度を一定にしないと断面積形状が変化してしまい、他に粘土成分、密度、特性も一定にする必要あり。 生産性向上を狙い押出し速度を高めると圧力による摩擦熱で原料特性が変化したり、口金の摩耗が激しくなる。かといって水分量を増やすと強度不足で重力に負け押出し直後に成形体として形状を維持できなくなり、可能な限り小さな力で押し出せる流動性と口金を出た時に形が崩れない保形成が必要である。 鋳込み成形とはセラミックス原料に水を入れてスラリーを作り、型に流し込む方式。 但しセ -
セラミックス:日本が誇る職人芸の世界2
2020-04-08 09:31前号のセラミックスの種類に続き、2回目の今回は製造工程の混錬まで。【ファインセラミックス製造工程】 原料 → 混練 ⇒ 成形 → 乾燥 ⇒ 焼成 ⇒ 加工 → 製品 ファインセラミックス製品を作るのには、天然に存在する原料の人工的処理が必要で、ファインパウダー(微粉末)の研究がまず第一にある。 ファインセラミックス製品に使われるファインパウダーの条件は、 1)微粒子であること 2)粒子の凝集がないこと 3)粒子径が揃っている(狭い範囲での粒子径分布) 4)球状であること。 5)化学的に高純度 上記条件を満たすために気相・液体・個相反応により合成され、必要なら精製を行う。 微粉末にする際は粉砕法と合成法が使われる。【混練工程】 混練工程は原料・水・バインダーを調合して練り、成形で付きやすい(くっつく)混合物とし、成形後は保形成の良い原料とする工程。 練る工程は均質に分散させた粘土やバインダ -
相川伸夫の山王(3441)ENEX展示会取材報告
2020-03-12 01:09~水素透過膜に大きな進展アリ!■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー ※3月6日(金)執筆時点・山王(3441)2016年12月19日配信 株価560円⇒554円(―1%)・テノックス(1905)17年2月20日配信 株価815円⇒838円(+3%)・特殊電極(3437)17年6月12日配信 株価2922円⇒4620円(+58%)・東北特殊鋼(5484)17年9月4日配信 株価1831円⇒1424円(-22%)・新報国製鉄(5542)17年10月2日配信 株価1577円⇒861円(-45%)・パウダーテック(5695)18年2月19日配信 株価4845円⇒3620円(-25%)・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信 株価1970円⇒2290円(+16%)・アバント(3836)18年6月25日配信 株価473円⇒863円(+82%)・神戸天然物化学(6568)18年8月13日配 -
株の玉手箱 1000の用途をもつ粘土
2019-11-29 13:08小学校低学年の頃、広場で友達と穴を掘ると粘土層が出現した。元々は稲作用の田んぼで、昭和30年代に埋め立てられた土地だった。丸めて投げ合ったり、外壁をパンダ模様にさせるため戸建住宅に向けたりとか。今では砂利を敷き詰め駐車場と片側は分譲住宅が建ってしまい、あの地で自然界の楽しい遊びが出来なくなったのは残念である?? その粘土だがWikiによると造形材料として土粘土、砂粘土、油粘土など10種類以上もあるとか。小麦粉・パン粉粘土や、2007年にはドイツで世界初の食べられるヤミードーと呼ばれる粘土まであるとは知らなんだ。 粘土とは字の如く粘り気のある土を指し、土壌学的には通常0.002mm以下の風化作用を受けた二次鉱物粒子というのが定義らしい。これに水が加わりレンガ・セメント・陶磁器の原料となる訳か。 粘土の主体は層状珪酸塩鉱物で、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイトなどが粘土中に広く産出され -
投資アイデアの創出その6 投資アイデアの生成の過程
2019-10-08 01:29※このコラムは、2004年2月に掲載されたものです。
当時の経済的背景に基づいていますので、ご留意の上お読み下さい。
■画期的な新商品と既存事業の不振■ 投資アイデアの生成についての連載を続けています。 今回は、「新製品の投入」と「企業業績の落ち込みが一時的なものかどうか」という問題です。 新製品については、それが画期的なものに見えるほど、投資家は理性を失う傾向があります。 欲に目がくらんでしまうのですね。 新製品という伸びるところばかりに経営者が心を囚われている場合、既存事業で思わぬ赤字を計上することもあります。 新製品ばかりに経営者が注目すると、既存事業の人材がやる気を失ってしまう場合があるからです。 新製品の投入期待で株を買うことのリスクをお話します。■業績の短期的な不振■ 業績の短期的な落ち込みについても、それが短期的に収束するのか、長期に渡るのかの判断は、難しいものがあります。 -
相川伸夫の名証IRレポ・丸順取材
2019-07-23 18:15■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー ※7月19日(金)執筆時点・山王(3441)2016年12月19日配信 株価560円⇒730円(+30%)・テノックス(1905)17年2月20日配信 株価815円⇒830円(+2%)・LCホールディングス(8938)17年4月3日配信 株価894円⇒1249円(+40%)・特殊電極(3437)17年6月12日配信 株価2922円⇒5070円(+74%)・東北特殊鋼(5484)17年9月4日配信 株価1831円⇒1426円(-22%)・新報国製鉄(5542)17年10月2日配信 株価1577円⇒1190円(-25%)・パウダーテック(5695)18年2月19日配信 株価4845円⇒2940円(-39%)・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信 株価1970円⇒1986円(+1%)・アバント(3836)18年6月25日配信 株価945円⇒1 -
書評:量子コンピュータとは何か
2018-06-26 01:51書評:量子コンピュータとは何か ジョージ・ジョンソン 著 早川書房 https://amzn.to/2M57UVn これまで株式市場などで「革新的技術」だとの評判を得て、「今すぐにも実用化」されそうな話をマスコミがたれ流した事例は数え切れません。 「(常温)超電導」、「(常温)核融合」、「人工知能(AI)」などいくらでもあげることができます。「(完全)自動運転」もたぶんその一つになるでしょう(その理由の詳細は述べませんが、はるかに簡単な飛行機でさえいまだに「完全自動運転」が実現していません)。 特に「AI」は過去何度目かのブームがやってきていますが、今回もそれは実現できないと思います。簡略に述べれば、「人間の脳が電気で動いているというのは間違った考えであり、実際には生体の化学反応の結果電気が生じている」と考えるべきだからです。 また、人間の脳はあくまで体の一部であり、人間の脳 -
情熱投資家、相川伸夫 東京エレクトロンデバイス(2760) メーカー機能強化へ!!業態変化の片鱗を視た
2018-04-11 21:50
リンクスリサーチでアナリストとして活動を始め、早くも5社の会社様に訪問取材をさせて頂きました。また、現在アポが決まっているのは5社あります。 大変ありがたいことです。 取材させて頂き、こうして記事を執筆していく中で自分はまだまだ未熟であり、無知であると改めて痛感させられます。 業界を知らない。システムを知らない。人を知らない。 無いものを上げだしたらキリが無いのではないかと思われるほどです(笑) しかし、そんな自分にも自信のあるものがいくつかあります。 その一つは『図太さ』です。 知らない物は知らない。それはしょうがない! なら… ・一から学べばいい。 ・一から経験すればいい。 ・一から知り合って親しくなればいい。 投資の技術もそうやって磨いてきました。 アナリストとしての力もこれからそうやって磨いていきたいと思います!! ■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー ※4 -
気になる企業の特許を読んでみよう!
2018-04-03 01:34
「特許」は法律用語であり、Wikipediaによれば 「法令の定める手続により、国が発明者またはその承継人に対し、特許権を付与する行政行為」 となっている。 この場合の法令とは特許法である。 特許権付与までの実際の流れはこんな感じである。 発明者が自らのアイデアを明細書にまとめたものを特許庁に出願し、 出願から3年以内に審査請求を行い、 特許査定となれば発明に対して出願から20年間有効な排他的独占権が与えられる。 ゆえに、世の中のニーズに合致した発明であれば発明の対価として大きな利益を得ることも夢ではない。 特許権は製品の独自性を保護するものであるため、競争が激しい業界では特許権を巡って熾烈な競争があるのも事実であり、特許侵害が認められると販売差し止めや巨額の賠償金を支払わされることもある。 例えば先端的な4Kテレビのような規格に準拠した家電製品では、製品化に必須とな -
書評:ブロックチェーン入門
2017-10-20 16:19
「ブロックチェーン入門」 森川夢祐斗 箸、KKベストセラーズ http://amzn.to/2igAfhL 1990年代後半、インターネット・ITバブル華やかりしころの熱狂をご記憶の方も多いと思います。当時は「インターネット・ITと名前がつくベンチャーなら「A4の企画書1枚で数億円が1週間で集まる」などといわれましたが、実際にそのような「熱狂」の時代でした。 当時の私は、そのようなバブルを冷ややかな目で見ていたのですが、実際2000年代に入ってすぐにITバブルは崩壊し、雨後のタケノコのように生まれていた「ナントカドットコム」というような名前のIT関連企業のほとんどは、今や見る影もありません。 しかし、私の予想が大きく外れた部分もあります。 スマホやECなど、「ITやインターネットがたった20年ほどの間に社会のインフラになる」などとは、正直全く予測していませんでした。 ただ
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