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株の玉手箱 外食の勝ち組で業界トップを狙う
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株の玉手箱 外食の勝ち組で業界トップを狙う

2021-05-11 00:06


     GW明けの日経平均株価は29000円~30000円のレンジ相場が続き、勢いよく買いあがる材料は乏しく決算発表シーズンで数値の確認、足元のコロナウィルス変異株の感染拡大とワクチン接種の遅れを理由に警戒感が解けておりません。

     今回はそんな中からの銘柄紹介です。


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    物語コーポレーション(3097)[東証一部]


    【事業紹介】

     焼肉、ラーメン、お好み焼レストランチェーンを直営、FC展開。焼肉きんぐ、丸源ラーメン等が主力業態。

     2007年の1号店オープンから国内は333店舗(2021年3月31日現在)まで店舗網を広げ、飛躍的な成長を遂げたテーブルオーダーバイキング業態の「焼肉きんぐ」。
     開発・人財力を強みに拡大成長しており、この2年以内に焼肉業界で売上トップを狙う計画がある。

     ファミリー層をターゲットとしたリーズナブルな郊外型の焼肉店が増えてきているが、同社は、単品注文もできるが、主に食べ放題に特化した焼肉業態「焼肉きんぐ」を開発した。

     そこで、他社との差別化として重要視したのが、
    「(注文から提供まで)お待たせしない」
    ことである。

     また、他社が採用難に喘ぐ中、アルバイトの採用においては、応募から面接日までの日数削減に全社を挙げて取り組むなど細かな工夫で、安定した人材確保へとつなげた。独自のスキームで人材育成に取り組んできたことも、好業績を維持できている要因である。

     食材や資材の高騰で、原価率は上昇、人件費も高騰する中、大事なのは接客サービスを行う人材だと考えている。接客を通した人と人とのつながりが、さらなる来店頻度の拡大につながるとしている。

     店内スタッフは、清掃部員と接客部員が完全に分かれており、次の顧客案内に掛かる時間を清掃時間を含めて5分以内と徹底しており、また制限時間を120分から100分にしたことにより、顧客回転率を上げ、利益率を拡大し
    ている。

     ラーメン部門はファミリー向けラーメン専門店として、核メニューである「肉そば」に加えて、季節限定商品等の商品開発を強化している。

     しゃぶしゃぶ食べ放題の「ゆず庵」では、大型電子看板の設置を増やす予定である。2021年6月期までにフランチャイズチェーン(FC)店も含めて全店に設ける。電子看板は道路からでも目に入りやすいため、時間ごとに表示する広告を変えて集客につなげるとしている。

     ゆず庵は全店が路面店であり、昼食や夕食など時間帯にあった広告を表示してドライバーの関心を集めており、導入した店舗では売上高が伸びているとのこと。特に、今まで訴求できていなかった昼食の客が増えているという。また、動画での広告も検討しているとのこと。

     更に、一昨年には会話の音声を活用したサービスを開始した。来店客の会話を人工知能(AI)で分析して注文を予測するほか、顧客満足度を可視化し、省力化や従業員の接客力向上につなげる。

     音声分析などの技術を開発するHmcommと提携し(2019年6月発表)、昨秋から物語直営店で実証実験を始めている。様々な会話が飛び交う店内で、正確に注文を聞き取ることができるシステムを構築する。
     「もう一杯飲もうか」といった会話から、生ビールの注文を予測するような機能や、声色と声量で顧客の感情を読み取り、満足度を数値化する機能の追加を検討するとしている。

     音声分析で得たデータを利用したウエアラブル端末も開発する予定だ。
     眼鏡型の「おせっかいスカウター(仮称)」に、AIで分析した各席の満足度などを表示し、接客の際の会話のきっかけなどにする。今年の試験導入を目指している。


    【業績面】

     2月8日に決算を発表。21年6月期第2四半期累計(7-12月)の連結経常利益は前年同期比2.0倍の36億円に急拡大し、通期計画の44.6億円に対する進捗率は80.8%に達した。
     昨年の全国での緊急事態宣言が解除されて以降、来客数が当初想定よりも早い回復基調となったほか、既存業態の粗利益率の改善や、社内におけるリモートシステムの活用などに伴う販売一般管理費の減少などが業績の押し上げにつながった。なお、次回決算は5/7を予定。

     同社の事業展開の5部門の中で、今後一番伸びてくると見られる部門はやはり焼肉部門である。今後3~4年は、この部門に人とお金をかけていくとしており、5部門の中で利益率も一番高い。

     『外食の勝ち組で業界トップを狙う』意気込みが経営戦略からも伺える。


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     テクニカル面では、昨年4月安値2325円をボトムに上昇トレンドを形成し、今年4/7に直近高値の7820円を付け高値圏でのもみ合いとなっている。コロナ禍においても、郊外ロードサイド大型店でファミリー需要を捉え比較的堅調な既存店推移を示しており、今後も注目して見ていきたい。

    (あすなろ産業調査部 藤井勝行)
     
     
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