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資金の有効利用
2023-07-24 16:27
初めにコラムの件で。 昨日版で通算、億近5,000号だったそうです。凄い! 筆者は2008年にお誘いを受けて書き始めましたが、20年以上にも渡り執筆陣の皆さんが「投資啓蒙の為に」協力して書き続けているメルマガって凄いなぁ~、と感じている次第です。 また、主宰の松田氏には執筆開始以来、大変お世話になっています。全ての原稿を読み、推敲し、メルマガを毎日UPされてきた面倒な作業には頭が下がります。20年以上も殆ど休み無しで! 様々なキャリアの方が書いていますので執筆者の得意分野や人となり、その時々の経済環境を彼らがどのように捉えているかなども感じて頂けるのではないでしょうか。私などはこの場を借りて申し上げれば、気分転換で愚痴ばかり書いている故に長続きしたのかも知れません(苦笑)。 飽きずにお読みいただいている読者の皆様には感謝ですし、きちんと調べて書かれている執筆者の方たちにも脱帽です。 元 -
やっと処分 EB債
2023-07-12 12:17
千葉銀行とその証券子会社、及び武蔵野銀行に行政処分が下されました。 この無茶な金融商品(EB債)については数年前からこのメルマガでも取り上げてきましたが、やっと行政処分が下されました。 主な処分理由は、1)顧客属性を確認及び検討しないまま、顧客を仕組債購入へ誘引している状況2)内部管理態勢が不十分な状況 関東財務局の公表によると、再発防止に向けて実効性のある業務改善計画を速やかに策定し、着実に実施すること、と書かれています。 いわゆる行政処分ですが「これだけ?」と、誰もが感じそうです。 顧客への損害賠償や損失補填、役員辞任などは出てくるのか。 そもそも、顧客属性を無視して販売してはいけないと言う「適合性の原則」や、販売・管理における内部管理体制の強化と言ったものは10年以上も前から指導されていたものであり、今さら感がありますが、この商品自体の問題点についてはリスク評価が難しいと言った書 -
横並び意識
2023-06-21 11:43
証券取引所から割安(低PBR)企業へのプレッシャーやバフェット氏の日本株投資の話題が広まってから、3月中旬をボトムとして6月13日までに日経平均株価で約6,000円、率にして約22%も上昇しました。 流石に外人買いが増えると上がるなぁ~と感心しつつも、半導体関連や日経平均への寄与度が高い銘柄ばかりが物色される市場にはついていけませんでした。知り合いの方達からも「こんなに日経平均は上がるのに自分の株は上がらない」と言ったお話しもよく聞きました。 全体的には株主還元を打ち出したバリュー銘柄も買われました。株主還元に消極的だった日本企業の大御所達も流石に重い腰を上げたと言うべきか。ばらつきはあるものの増益となった企業が多いためか、人材確保のために人件費を上げるとともに、自社株買いなどを発表する会社が増えました。 さて、確かに米中デカップリングの影響や円安により日本株が見直されることは理解でき -
ガバナンス
2023-06-05 21:25
そろそろ最も株主総会の多い時期になりました。 3月中旬からは外人投資家による日本株の見直し買いが続いていたようですが、アジア系投資家を含めて、5月に入ってからはより多くの資金が値動きの良い銘柄に流れ込んでいるようです。 AIによる売買が急増しているためか、中には不可解な乱高下を繰り返す銘柄もあります。 例えば、個人投資家に人気のチェンジ(3962)やオイシックス・ラ・大地(3182)のように、良い決算を発表したと思ったら間も無く大量の売りを浴び急落した銘柄もあります。大半はアルゴリズム(自動)売買なのでしょう。 指数(主に日経平均株価)の上昇と共に、以前は目立たなかった銘柄でも株価の乱高下が増えており、空売りも増えている様子ゆえに気を付けたいところです。 さて、近年は様々な投資家から株主提案を受ける企業が増えていますが、ここで考えたいのはガバナンスコードです。本当に当該企業の株主や他の -
今年の市場
2023-05-24 15:26
今年の株式市場の特徴としては取引所によるPBR1倍割れ銘柄への改善要求や、バフェット氏が日本株を買い増すとの思惑が広がったことでバリュー銘柄の選別買いが見られるようになりました。 話しは逸れますが、バフェット氏がバリュー投資家であると短絡的に決めつけることも出来ません。特にこの20年ほどはバリュー銘柄への投資は多くありませんから、この辺りは誤解の無いようきちんと研究しておくべきと思います。 増配や自社株買いを増強するなどで株主還元に積極的な対応をする企業が増えており、それらの企業は株式市場できちんと評価されるようになってきました。収益の安定した企業がDOE(いわゆる安定配当)を発表するなど良い傾向になっています。 但し、株主還元の拡大は重要であるものの、やはり株価を決めるのは事業収益の伸びであるはずで、昨年来の資源・エネルギー高による交易条件の悪化と、円安がどれほど輸出企業の事業収益に -
民度と投資
2023-04-26 22:27
様々な事件の記事や記録を読んでいて、つくづく日本の法整備が遅れていることを痛感します。国や地方の立法府の住人(ゴキブリ)が法を作らず、本来は行政の予算執行を監視するはずの代議士(議員)が職務を放棄し、行政と一体になって道路や橋の建設に勤しんでいるため必要な立法が進みません(呆)。 統一地方選も後半戦の山場を迎えていますが投票率は低迷しそうです。 投票率の低迷は与党の固定票を優位にします。固定票田を多く持つ与党は投票率の低迷にも助けられ既得権団体への肩入れを強める結果となり、つまり政治参加を面倒と考える層が増えるほどに日本の将来が暗いものになります。 さて、経済事件に限らず様々な刑事犯罪についても、場合によっては100年も前に作られた法令を後生大事に運用しているため罰則が現状に見合わないほど軽いものもあり、特に経済犯罪は罰則が軽いためにやったもの勝ちになり易く、結果として大半の被害者が泣 -
課題
2023-04-12 10:19
随分と暖かくなり、本格的な春になりました。 近くに比較的大きな公園があり昼頃の時間帯に時々散歩をします。小さな子供を連れた沢山の方達が子供たちを遊ばせていますが、振り返るに、うちの子供が小さかった頃も、遊ばせるために週末にはいつも何処かに連れて行かねばならなくて大変でした。遊びたい盛りの子供と小さなマンションに住んでいましたから。 週末が近づくと地図を見ながら「ここはどうかな?」などと家内と話し合っていた頃が懐かしく感じます。 あれから20年以上が経ち子供も大きくなって(当たり前ですが、笑)、今では大人同士として食事に行くなどするようになりました。小さな子供たちを遊ばせているご家族をみると「大変だなぁ~」と思いつつも「今が一番可愛い年頃だよねぇ~」などと微笑ましく感じるようになりました。 歳を取りました(笑)。 さて、先月22日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)では0,25%の利上げ -
2023年、新年度
2023-04-05 10:30
今日から新年度受け渡しの取引が始まりました。 前期は配当狙いのポジションも多かったはずですから、新年度もまずは慌てず、配当落ち後の動きを注視したいところです。 今年度の業績予想については各社経営陣の性格(性質)により大きな開きが出てくる年になると考えています。為替やエネルギー、原材料価格などの予測が難しい年になりますから、弱気や強気予想など、それぞれの見通しにより各社の特徴が出易い年では無いでしょうか。 昔、リサーチや個別株の分析をしていた当時は3月に出た四季報の数値と4月下旬から発表される各社の業績予想を一つずつ丹念に比較することで新たな動き(発見)が無いかなど、随分とマメに調べたものです。 ここで予想外の数字の変化を見つけた銘柄はより詳細に調べることで、まだ投資家には見えていない(もしくは企業自身も気付いていない)注力点や変化を見つけることが出来ました。年に4回ほど残業が続く訳です -
発想を変えて
2023-03-22 23:38
少子化対策については30年以上も(既得権を守りつつでしょうか)堂々巡りの議論を続けています。その間に少子高齢化が進み、人口構成も生活態度や習慣までもが変化し続けています。手遅れと感じるほどに・・・。 国際投資家のジム・ロジャーズ氏には「日本の若者は早く日本から逃げ出せ」と言われるほどになりました。 何故に堂々巡りの議論しかできないのか。理由は簡単です。既得権の障害はもちろんのことですが、問題の実態を理解していない人達が議論しているからです。 最も大きな問題点は少子化対策を議論する際の有識者の集め方にあります。 本来なら子育て経験のある女性や現役世代が多数を占めねばいけないはずが、赤ちゃんの世話や子育てなんてしたことも無く、子供を産む能力も無いおじさん(=男、笑)ばかりを有識者として集めるから上手くいきません。 最近は女性メンバーも増えていますが、依然として発言力が大きいのは高齢男性です -
異次元の対策
2023-03-07 13:20
もう3月。陽も長くなりました。 ここのところEB債を題材にする執筆が増えましたが、振り返れば2021年8月頃のコラムでは、当時はIFA(独立系金融アドバイザー、いわゆる仲介)業者によるEB債販売が花盛りで、それに違和感を覚えたことから注意喚起のつもりで書いたことを思い出しました。 当時、IFA業者は雨後の筍のように続々と設立され、何故にこんなにも沢山の業者が増えているのかと気になって調べたところ、2018年頃から国内の証券会社やIFA業者による米国株式の売買増加(営業注力)とともに、米国株を利用したEB債が大量に発行されていることを知ったからです。 外国株売買から得られる手数料は日本株の売買手数料より高く、ましてやEB債のスプレッド(単価差益=手数料)は一般的な金融商品の手数料を遥かに上回ることから取扱う業者が増えていたようです。 収益商材を探し求めていた地銀なども多くが参入しました。
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