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東京プロ市場への上場企業が大型化
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東京プロ市場への上場企業が大型化

2020-12-16 12:09



     日本の株式市場には3700余りの企業が上場し皆様のような投資家各位の投資対象として何らかの形で関心を持って頂いているかと思います。

     取引の担い手、運営母体となる東京証券取引所は2022年4月1日を目途に向け市場改革に取組んでいるようですが、その動きの中で既存市場への上場のハードルは時価総額などいくつかの要素でかなり厳しい状況になろうとしています。

     そうした市場改革への動きでクローズアップされているのが東京プロマーケットです。本メルマガでも過去何度か取り上げて参りましたが、本日はその市場動向について取り上げてみたいと思います。


    1.東京プロ市場への上場企業数について

     2011年7月のメビオファーム以来、これまで東京プロ市場には延べ53社が上場。うち3社がステップアップでJASDAQ(歯愛メディカル)、マザーズ(Global Bridge HD)、セントレックス(ニッソウ)に上場を果たしました。

     一方で業績不振による上場廃止は5社(メビオファーム、MISAWA HABITA、アドメテック、ピースリビング、太知ホールディングス)、TOBや買収による上場廃止2社(エコグリーン、WBFリゾート沖縄)、 親会社方針による上場廃止が1社(はかた匠工芸)、自主申請による上場廃止1社(トライアンフコーポレーション)となっており、合計9社が上場廃止。結果として現状は41社が上場しています。


    2.時価総額200億円超の企業も登場

     東京プロ市場に上場した企業の多くは時価総額は10億円以下(29社)ですが、本年5月に上場したeコマース事業を展開するCチャンネル(7691)のようにまだ赤字だが時価総額が200億円以上の事例も出てきた。
     東京プロ市場を経て3年前にJASDAQに鞍替えした歯愛メディカル(3540)の時価総額は200億円程度だったが、JASDAQ上場の現在は700億円という水準。東京プロ市場から生まれた成功事例と見て取れる。
     時価総額が小さい企業ばかりだというイメージのある東京プロ市場にもいわば時価総額が大きなユニコーン型企業も登場し始めたと言えます。


    3.41社のおよそ3分の1近くが不動産及びその関連周辺企業

     東京プロマーケットには現在41銘柄が上場していますが、今後の上場予備軍企業まで含めそのおよそ3分の1の企業が不動産及びその周辺企業となっています。

     TSON(3456):
     愛知 不動産広告代理業 売上16億円/経常利益0.7億円

     やまぜんホームズ(1440):
     三重県 不動産関連事業 70億円/1.4億円

     翔栄(3483):
     愛知 不動産賃貸・投資開発 7億円/0.1億円

     パパネッツ(9388):
     埼玉 不動産管理業務 44.8億円/2.5億円

     揚工舎(6576):
     東京 介護施設運営 22.7億円/1.2億円

     マルク(7056):
     愛媛 障がい者向けA型事業所 放課後デイ 3.4億円/0

     アーバンビジョン(2977):
     東京 不動産賃貸・開発 37億円/1億円

     QLSホールディングス(7075):
     大阪 保育・介護、人材派遣 38億円/▲1.3億円(前期)

     ファーストステージ(2985):
     大阪 投資不動産販売、不動産賃貸管理 106億円/12億円

     アートフォースジャパン(5072):
     静岡 地盤改良事業 建設業 43億円/0.5億円

     一寸房(7355):
     北海道 設計ソリューション事業 測量事業 7億円/▲0.9億円(前々期)

     このように不動産セクター企業が東京プロ市場で多いのは業種が不人気で主幹事証券が嫌がる点にあるようです。日本で東証プロ市場をリードし多くの企業のJ-アドバイザー(主幹事証券)を担っているフィリップ証券によれ ばこの分野を中心に現在数多くの上場予備軍が控えているそうです。
     また、地方の有力企業もこの市場に注目しているという話もあります。
     なお、先般よりJ-アドバイザーにエイチエス証券が新たに加わりました。
     現在、J-アドバイザーとしてはこれらのほか宝印刷、日本M&Aセンター、沖縄J-アドバイザー、IRジャパンなどが名前を連ねていますが、大手証券は手間暇かけるのを嫌がっているのか取り組みがなされていません。
     また、専用のファンドも見当たらないのが現状です。


    4.市場改革による変化の兆し

     最近の東京プロ市場は一般市場(マザーズ、JASDAQなど)を目指してきた企業の鞍替えがコロナ禍と東証の市場改革で起きています。この結果、大型化(売上規模など)してきています。
     つまりコロナ禍でハードルがアップしてプロ市場へと流れてきている状況があります。
     2020年のプロ市場への上場は10銘柄(横浜ライト工業、エージェント、カレント自動車、Cチャンネル、ファーストステージ、バルコス、アートフォースジャパン、一寸房、北海道歯科産業、Geolocation)で事業スケールの大きな優良企業の上場が見られるようになりました。


     上場企業の大型化で必要となるのは流動性。
     今後は皆様のような個人投資家にも市場参加を促していきたいと思いますが、皆様のご関心はいかがでしょうか。ご興味がおありであれば、メールでご連絡を賜りましたら幸いです。
     magazine@iforum.jp


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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