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為替市場動向~緩和期待外れた後のドル円相場は?~
2015-11-05 13:0510月後半の市場の注目は、主要国の中央銀行の動きでした。 先陣を切って、10月22日に市場にギフトを送ったのは欧州中銀でした。 ドラギ総裁が、定例理事会後の記者会見で12月の追加緩和を予告。続いて、そ の週末に中国人民銀行が利下げに動き、金融緩和姿勢を明確に示したことから、世界のマーケットは金融相場を期待するリスクオンの展開となりました。 翌週の米国金融政策決定会合FOMCで注目された声明文から、「国際情勢への配慮」が消され、「経済指標を見極めて、12月の会合で利上げを検討、判断する」等の文言が記されたことから、薄くなった年内利上げ期待に最終的には株高ドル高債券安で反応しました。 一方、一部に根強い期待があたハロウィン前日の日銀追加緩和が見送られたのは残念ではありました。 このような主要国の最新の金融政策姿勢に反応して為替市場では、欧州中銀の発表に反応してユーロ安ドル高、さらに中国 -
市場潮流
2015-11-02 17:09今週(10月26日~30日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で257円80銭、率にして1.36%上昇しました。 中国が昨年11月以来6度目の金融緩和を実施したことで、中国の景気減速懸念がやや薄らいだことで、投資家心理が改善。米FRB、日銀ともに現行の金融政策を据え置きましたが、株式相場は反応薄でした。 27~28日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文では、「次回会合で政策金利目標レンジを引き上げることが適切かどうかを決定する」こ とが明記されました。また、前回9月の会合の声明文から「最近の世界経済情勢と金融市場の動向が米国の経済活動を幾分抑制する可能性があり、短期的にイン フレ率に下押し圧力を及ぼす可能性がある」との文言が削除されました。 これにより、12月のFOMC(15~16日)での利上げの可能性が高まったとの見方が広がりました。これを受けて米国株式は直後に下落 -
為替市場動向~日銀の政策決定会合、今年の10月末は?~
2015-10-22 10:50注目の日米の金融政策決定会合が行われる来週を向けて、市場参加者には様子見もあり相場は全体的に小動きですが、日銀への追加緩和への期待は、来週の決定を予想する識者が少ないながら、静かに灯り続け、ドル円相場や日本の株式相場の下値を支える要因となっています。 追加緩和が期待される背景には、最近発表される日本の経済指標下振れに対する警戒感の強まりがあります。7月、8月の鉱工業生産は予想に反してマイナスとなり、機会受注の数字では民需が3か月連続して大幅に減少でした。 そんな中で、先週発表された10月の月例経済報告では、生産を「弱含み」として3か月ぶりに下方修正。また、本日発表された9月の貿易統計では、貿易収 支は黒字予想に反して赤字、特に輸出の伸びの鈍化が目につきました。輸出の鈍化は、中国への輸出減少が影響していると見られます。 経済指標悪化の一方で、政府、日銀が政策目標としている「デフレからの -
市場潮流
2015-09-28 13:16今週(9月24~25日)の東京株式市場は、2日間の立会いでしたが、日経平均株価は189円70銭、率にして1.04%下落しました。 シルバーウィークの連休の間、中国の景気減速の加速、ドイツのフォルクスワーゲンの不正問題などの影響で、海外株式相場が下落したことから、24日の日 経平均株価は大幅に下落。25日は、9月末の配当の権利取りの買いなどに加え、日銀の黒田総裁が安倍首相と官邸で会談したことで、日銀の追加緩和への期待 が高まり、308円高で終わりました。 来週は、10月1日から中国市場が国慶節の大型連休に入ります。中国市場の動きに翻弄されるリスクが薄らぎ、日経平均株価は上値を試す展開が見込まれます。 先週書きましたように、「10月にFRBが利上げ、一方で日銀が追加緩和を実施、中国が再度の金融緩和とともに財政出動を伴う景気対策を実施する」との公算は大きいと筆者は考えております。 (水島寒 -
市場潮流
2015-05-04 14:06今週(4月27日~5月1日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で488円、率にして2.4%の下落となりました。 4月30日には、前日比538円安と今年に入っての最大の下げとなりましたが、主な要因は、 1)29日に公表された米国の15年1~3月期GDP成長率(速報値)が、前期比年率0.2%と市場の予想を下回ったこと 2)30日の日銀の金融政策決定会合で、市場で期待が高かった日銀の追加緩和が実施されなかったこと 3)5月2日からの5連休を前に利益確定売りが出たこと などです。 基本的には、これまで速いピッチで上昇してきた調整であり、ここからの深押しは想定しておりません。 米国の景気減速は、寒波、港湾ストなど特殊要因によるところが大きく、4~6月期以降は再び着実な成長軌道を回復すると予想します。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げは、大方の予想通り9月に実施されるものと予想します -
今年向かうべき方向
2015-02-01 23:31年が明けて早や1ヶ月が過ぎました。ISISによる非人道的な人質事件が拡大するなど大変な状況になっています。何としてでも無事に生還いただきたいと 思っていますが、イスラムの教えとは全く異なるテロリストたちの極悪非道の行いには言葉を失います。独裁大国の為政者達も自身の利益ばかりを追わず、国連 常任理事国は一致団結して対処願いたいと思いますし、100年前にそもそもの紛争の発端を作った西欧主要国こそ自覚を持って臨んでいただきたい。 今世紀に入ってから2009年秋の選挙で本格的な政権交代を経験しました。3年間の民主党政権は残念な結果ではあったものの、この2回の政権交代を経て 政治運営に変化を期待したいところです。旧態依然としたまま変化を嫌う世襲政治や縦割り行政とともに、形骸化した閣議なども抜本的に見直すべき時代に入っ たと考えます。そもそも頭を使わない(役人任せの)形ばかりの閣議が政治家の能力、資 -
為替市場動向~ポジション調整?トレンド転換?思案のとき~
2014-12-11 22:30中央銀行の超金融緩和と株価下支え、年金資金のリスク資産運用率の引き上げなど日本では国策相場が続いています。好調が言われる米国経済、原油安も材料となり猛スピードで円安が進みました。 先週金曜日に発表された米国の雇用統計は予想を大きく上回る雇用者増のサプライズ。ドル円相場は一気に121円台後半、そして日経平均株価は1万8千円 台達成を果たしました。この水準達成は、短期、中長期の投資家にとって利益確定の絶好の機会となった感があります。6日の満月を挟んで、相場はいったん一 つの節目を迎えたのではないかと思います。 9日には、中国での短期融資に関する担保規定の厳格化という材料に加えて、ギリシャの政治不安報道が世界的な株安によりリスク回避行動が先行したとされますが、実際にはきっかけの一つとなっただけでしょう。 このところの原油価格下落、ドル高で為替市場では、新興国通貨の下落が目立っていました。最 -
市場潮流
2014-09-29 12:26今週(9月22~26日)の東京株式市場は、前週に続き4日間の立会いでしたが、日経平均株価で91円の下落となりました。ただ、25日には米株高、円安 の進行を受けて年初来高値を更新。26日は144円安となりましたが、9月期末の配当落ちに伴う90円程度の下押し要因を考慮すると底堅い相場展開であっ たと評価できます。 国内の景気は回復度合いが思わしくなく、その意味でも10月1日発表の日銀短観が注目されます。ただ、米国景気の好調は持続しており、それを背景とする 円安傾向も続くと思われますので、自動車、電機・精密、機械などを中心とする業績改善期待が株式相場を下支えするものと想定されます。 なお、米連邦準備理事会(FRB)は9月のFOMC(16~17日)で、月額250億ドルの追加証券購入額を10月から100億ドル減額して150億ド ルとすることを決定しました。さらに、追加証券購入(量的緩和第3弾=Q -
量的緩和縮小、表明後の株式相場
2013-12-26 15:23米国FRBで量的緩和の縮小が発表され、ふっきれたようにNYダウが高騰。円安の進展、世界的な株高で日本株も上昇の動き。日経平均は5月高値に挑戦の動き。年末に向けた掉尾の一振が日本株にも期待される状況となっています。 市場の受け取り方は米国での量的緩和縮小=景気回復とポジティブなものでした。 日本は4月からの消費税引き上げを前に駆け込み需要が景気の撹乱要因となりそうですが、株高効果が景気の向上に反映される可能性が見えてきました。 大企業、富裕層を中心にしたお金の循環が中小企業、庶民に回っていく好循環への変わっていくと2014年も明るい年となるのかと思われます。 株式相場はインデックスに連動する主力株がメインですので、個別株、特に中小型株では蚊帳の外の状態なのかも知れませんが、おっつけ追いついてくるでしょう。割安感の強い銘柄にも物色気運が高まるものと期待されます。 基本的にはカネ余りの -
市場潮流
2013-12-26 09:54FRBは量的緩和の縮小に踏み切りましたね。自明のことではありますが、これは「金融引き締め」ではなく、「量的緩和」を継続しつつ、毎月の債券購入額 を減額する措置です(850億ドル→750億ドル)。今後、縮小策をゆっくりと進め、事実上のゼロ金利政策を長期間継続するとの声明が出されたことを好 感、米国株式は急騰。円安進行と相まって日本株も上昇に転じました。 外国為替市場では、日本円は米ドルに対しては当面弱含みで推移し、ユーロに対してはそれほど弱くはならないものと考えます。量的緩和縮小を決定した FOMCでは、米実質GDPの伸び率の上限を14年に3.2%、15年に3.4%と予想しました。米国経済の民間主導の景気拡大は継続する見通しです。 14年11月に実施される中間選挙を控え、与野党も財政問題で不毛な対立を繰り返すことは避けるでしょう。公的部門のマイナス影響が薄れるとともに米国経 済の改善は続き
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