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記事 24件
  • 「お金」について考える~その2~

    2021-05-22 02:07  

     先日、早稲田大学の鎮目雅人教授に「お金」について色々お話を伺いました。今回は、その2回目です。 鎮目教授は、経済史の先生で、特に貨幣についての研究について昨年本も出版されています。信用貨幣の生成と展開:近世~現代の歴史実証 amazonリンク ⇒ https://amzn.to/3gvQWld【お金そのものは目的足りえない】 そもそも、「お金」そのものは生活をしていくための「手段」であって「目的」にはなりえません。 当たり前の話なのですが、ともすればついつい人は「お金」を目的と考えがちになってしまいます。「○○円稼ぎたい」「○○円の資産を築きたい」と日頃「お金」を目標や目的に考えたりしていないでしょうか? 鎮目さんもゲオルク・フリードリッヒ・クナップ(1842-1926年)の表現として「貨幣とは劇場のクロークでコートを預けるときにもらう引換の札のようなもので、その札によって交換できる預
  • 寄付の考え方を学ぶ

    2021-04-03 00:21  

     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 お金の使い方の1つ「寄付」の概念を教えることは、とても大切なことです。 最近金融庁が作成した「うんこお金ドリル」でも一部寄付の概念について触れていました。 金融経済教育推進会議が作成した金融リテラシーマップ(日本人が最低限身につけておくべき金融リテラシー)でも、ボランティアや寄付については少しですが触れています。 私は寄付の教育は、自分でお金を稼ぐ、貯める、使う、増やす、ができてからで十分だと思っています。自身で子供にお金の教育をやってみた結果、そう思ったのです。 金融リテラシーマップでも「寄付」は少ししか触れませんので、多分私と同意見なのだと思います。 寄付を教える際は、「理想の押し付け」にならないよう気をつけたいものです。 寄付の話は私の子供のエピソードでお話します。 私
  • 資産運用を続けた先にある世界

    2021-03-16 01:26  

     私がアドバイスの仕事を始めて13年経ちました ということで、13年前からアドバイスを継続的にさせていただいているお客様ももちろんいらっしゃいます。 そうした長期にわたってアドバイスさせていただいたお客様の中で最近心境の変化が生じていることに気が付きました。 この10年間は、株式市場がとても好調でしたので、株式投資を継続していた方々は概ね良い成績を収められているのではないかと思います。 そうすると、10年前に描いていた自分の資産よりも多くの資産を手にされていることに気が付きます。 ここで、自分の残された人生と自分の所有しているお金を眺めたときに「自分の代では使いきれない」という事に気づく人も多くなってきました。 お金を殖やすには段階があり1)収入>支出 の生活を続け、お金を貯めていく段階2)一定のお金が貯まり、運用をしてお金を殖やしていく段階3)お金が十分にあり、きれいに使っていく段階と
  • 9割の人が答えられない質問

    2021-03-06 13:46  

     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 最近、私がおこなっているお金のワークショップでは、「お金の流れ」についてお話していますが、結構ひっかけ問題にひっかかる人が多いという発見があります。 大人向け、子供向けワークショップでは、ワークショップでは最初にこうききます。「お金を手にいれるためには、お金を■■■必要があります。」■■■には何が入りますか? これは、多くのお子さんが「稼ぐ。」と答えられます。 大人の正解率は100%です。 次の質問。 お金を稼いだあと、そのお金はどうしますか? ここでは、答えが分かれます。大人の方がひっかかって「使う」と答えてしまう傾向があります。でも答えは「貯める」ですね。 収入―貯蓄=支出して良いお金という式は、基本です。 そして、3つの目の質問。 お金を貯めたあとはどうしますか? これ
  • 【対談】糀屋総一朗さんに聞く『幸せを感じるお金の使い方』前編

    2021-01-30 16:09  
     福岡県宗像市神湊(こうのみなと)からフェリーに乗って20分、人口約600人の大島に1泊10万円の宿「MINAWA」があります。 その仕掛け人が今回のゲストである糀屋総一朗さんです。 糀屋さんは、慶應義塾大学の法学部に在学中から不動産業界で仕事を始め、卒業後、2001年に株式会社谷口宝飾グループの不動産部門に入社。2007年に独立し、撮影スタジオや展示会場、セミナー会場のシェアリングサービス「レンタルスペース糀屋箱機構」、レンタルスペースの検索サイト「スペなび」を立ち上げ、軌道に乗せた後、それぞれを売却し、投資家に。 現在は、エリアリノベーションファンドというファンドを運営しています。 エリアリノベーションファンドは、全国各地の不動産やコモディティ化されない地域性のあるサービスに投資をして、地元の人たちとともにエリア再生を目指すファンド。宗像市大島の宿「MINAWA」を中心とした大島の活性
  • お金の3つの役割の教え方

    2021-01-27 00:51  
     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 最近お年玉シーズンだったせいか、お金の学びのワークショップのお申し込みが盛況です。 ワークショップでは、まずお金の3つの役割についてお話しします。 お金の3つ役割とは、交換、価値、貯蔵のことです。(順番は、私の独断でこの順にしています。) 交換についてお話しするときは、子供たちにこのような質問をします。「お金を使う場所、お金を持って行く場所ってどこだろう?」 当然子供たちはこう答えます。 スーパー、100円ショップ、お花屋さん、床屋さん、電車などなど。 ここで気づいて欲しいことは、お金は物やサービスと交換するためにあるよね、というお話しです。 次に価値のお話をします。 このような質問をします。「お誕生日会でテーブルの上に飴玉が置いてあるのと、ケーキが置いてあるのでは、どっちがう
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その9

    2020-12-31 13:04  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/1月号連載記事■その9 人間は金で動くのか?自由・市場・知識●あなたは金で動く人間か? 「あなたは金で動く人間か?」と問われて「はい、そうです。お金さえもらえれば何でもやりますよ!」と答える読者は多くないだろう。一方、私も含めて「お金を嫌いな人間はめったにいない」のも事実である。 シンプルに言えば「お金は好きだが、お金の奴隷にはなりたくない」というのが、ごく普通の人間の感情では無いだろうか? だから、「より金銭的に得をすることだけを考える人間=お金の奴隷」=「合理的経済人」なるものを標準モデルとする近代経済学がまったく役に立たないのも当然かもしれない。 行動経済学の実験などからも、人間の経済行動は、単なる金銭的損得だけでは無く、社会的規範や倫理基準に大きく左右されることが分かってきている。 例えば、行動経済学
  • 遊園地のぷかぷか浮かぶ風船、いくらか知ってますか。

    2020-12-04 22:05  
     億近読者の皆様こんにちは。(タイトルの答えは、後半に出てきます。) 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 私は小学生になったら、仕事とお金の家庭教育をすることを推奨しています。 お金の教育をすると、子供がお金を自分で管理できるようになります。 そして無駄遣いがなくなり、物の本質的な価値を見抜けるようになります。 我が家でも小学生の息子にお金の教育をしています。 本日は先日ディズニーランドに行った時に子供に一本取られたお話をします。 まず、少しお金の教育論について説明をさせてください。 お金の教育で多くの方がぶつかるのが「子供がお金を使わない。」という点です。小学生くらいだと行動範囲が限られているので意外とお金を使う機会がありません。 貯金の教育は大して難しくないのですが、お金を使う教育は難しいのです。 ゲームセンターでお金を使いまくるのは、よ
  • 自主性を育む金融教育

    2020-11-07 10:50  
     億近読者の皆様こんにちは。 小学生向けのお金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 今回は、「お金の教育で育める自主性」についてお話をさせていただきます。 私が推奨するお金の教育では、子供に2つの貯金箱を準備してもらいます。 1つは、「使うお金を入れる貯金箱」もう1つは、「貯めるお金を入れる貯金箱」です。 貯める貯金箱のお金は目標金額が達成できるまで使うことができない、というルールにします。 こうすることで、「お金が貯まるルール」を知ることができます。 散財癖があった子でも、このルールを身に付けるとお金が貯まっていきます。 実は、「使うお金を入れる貯金箱」の方には、もっと重要な教育的要素が含まれています。 それは「自主性」です。「使うお金を入れる貯金箱」のお金の使い道を、子供に任せることで自主性を育めます。 そのお金はゲームセンターで使おうが、お菓子やジュースに使おうが自
  • お金は使う、貯める、〇〇する。

    2020-09-30 12:51  
     タイトルの〇〇に、あなたなら何を入れますか? 「投資」?良いと思います。 他にご意見はありませんでしょうか。 「強奪」する。この答えは笑えません。 私の答えは、以前億の近道でも書かせて頂いたのですが、「寄付する。」です。 実は、お金の教育を実践すると子供に寄付の気持ちが湧いてきます。 ただ、そういった事実とは裏腹に、お金の教育事業行っていると、「お金の勉強をするとお金に卑しい人になってしまうのでは?」と心配される方が多いと感じています。 私もそうでした。 ただ、現実は違います。むしろお金に対する執着が減るように思います。 私が推奨している子供向けのお金の教育方法は、「自分で使うお金は自分で稼ぐ」というやり方です。 家の中で仕事をしてお金を稼ぐということです。 このやり方を実践すると、子供が人として急激に成長することがあります。 例えば、先日お金の教育をご自宅で実践されている親御様からこの